2025年 6月10日公開

総務・経理・人事コラム

面倒な印紙管理ともおさらば? 契約書や郵送物を電子化するメリット

著者:金指 歩(かなさし あゆみ)

書類の電子化・ペーパーレス化が普及するなか、紙文化が根強く残る企業は少なくありません。しかし契約書や郵送物を電子化すれば、コスト削減をはじめとしたさまざまなメリットが期待できます。今回はその内容やこれから電子化に取り組む際のポイントについて解説します。

まだ遅くない! 契約書や郵送物をペーパーレス化するメリット

「電子化・ペーパーレス化」が普及して久しいものの、「やっぱり紙が便利だから」「習慣を変えるのが難しいから」などの理由で紙の書類を使い続けている中堅・中小企業もあるでしょう。

しかし、電子化は単なる流行ではなく、コスト削減や業務効率化に直結する有効な手段です。中でもコスト削減が関係するとなると、総務・経理担当者にとっては見過ごせないテーマではないでしょうか。

まずは、契約書や郵送物などを電子化するメリットを紹介します。

印紙コストとファイリング業務の削減

従来の紙の契約書には、契約金額に応じて印紙を貼付する義務があります。一方で、電子契約書を利用する場合、物品や役務などの契約手続きがインターネット経由で電子的に処理されるため、印紙税が課されません。つまり、電子化により印紙代を削減できます。

例えば、何らかの役務の提供に伴い「請負に関する契約書」を締結する場合、契約金額に応じて200円から60万円の印紙税がかかります。

仮に500万円の契約を1件締結すると、印紙税は1万円です。これを月に10件締結すると、毎月のコストは10万円になります。電子契約に切り替えれば、この10万円の費用を丸ごと削減できます。

また、総務担当者や経理担当者にとって何かと手間なのが、印紙の管理業務です。必要な分だけ印紙を購入してファイルなどで管理しながら、定期的に在庫をチェックする必要があります。電子契約にすればこの手間がなくなるだけでなく、契約書をファイリングする手間も不要になります。

さらに電子契約書はクラウド上で一括管理できるため、検索や共有がこれまでよりスムーズになり、業務全体の効率化も期待できるでしょう。

郵送・配送コストの見直し

2024年10月より郵便料金が改定され、定形郵便物やはがき、レターパックの料金が以下のように引き上げられました。このほか、速達などの料金も変更されています。

郵便物旧料金
(2024年9月末まで)
新料金
(2024年10月から)
定形郵便物25gまで:84円
50gまで:94円
50gまで:110円
通常はがき63円85円
レターパックプラス:520円
ライト:370円
プラス:600円
ライト:430円