2025年 9月 9日公開

一歩先への道しるべ ビズボヤージュ

2024年は「EV逆風のはじまり」

企画・編集・文責:日経BP総合研究所

恩田氏のインタビュー動画を掲載

ハーバード大学国際問題研究所で現地の政策エリートと議論を重ね、地政学リスクについて中立的な視座で分析する恩田達紀氏へのインタビュー第2弾を2回にわたりお届けする。米大統領選挙が米中デカップリングにおよぼす影響について聞いた前編に続き、今回の後編では世界の電気自動車(EV)販売に対して吹き始めた逆風について聞いた。

恩田 達紀氏=ハーバード大学国際問題研究所 元・客員研究員
菊池 隆裕=「一歩先への道しるべ」編集長

* 本記事は「一歩先への道しるべ(https://project.nikkeibp.co.jp/onestep/)」の記事を再掲載しています。所属と肩書は取材当時のものであり、現在とは異なる場合がございます。

本動画は音声オンで再生されます。音量は、動画プレーヤー画面の下部にあるスピーカーアイコンで調整可能です。[動画再生時間:09分23秒]

世界各地でEV販売に急ブレーキがかかっている。その理由は何か。戦略コンサルタントの恩田氏が分析する(9分23秒)

――これまでのお話(https://project.nikkeibp.co.jp/onestep/keyperson/00043/)では「米国では、11月の大統領選挙に向けて、これまでとは違う政策が打ち出される可能性がある」ということでした。浮動票が多い「スイングステート」での票獲得のため、バイデン政権がトランプ陣営寄りの政策を採用し始めているとの内容です。

恩田達紀氏(以下、恩田) 「今まで言ってきたことと違う」ことの1つが電気自動車(EV)に関する政策です。2024年5月、米国政府は中国製EVに対して100パーセントの関税をかけると発表しました。これまで、グリーン・ニューディール政策によってEVに対する優遇政策をたくさん出していたバイデン政権としては「不都合な真実」ですね。