今回の災害対策DXシンポジウムにおいて、キーワードとして浮上したのは「フェーズフリー」。フェーズフリーとは、平常時と災害時というフェーズの違いを取り払い、身の回りの商品やサービスを日常時も災害時もいつでも使えるようにする考え方を指す。シンポジウムに参加した自治体担当者らは、6個のグループに分かれてフェーズフリーにつながる活動を議論、その結果を共有した。

参加者は6グループに分かれ、それぞれに割り当てられたサブテーマについて災害時と平常時のあるべき姿を議論した
(写真:片山 博司)
全グループに課された共通テーマは「発災後、効果的に避難所開設・運営を行うための各種連携と平時の準備」。そのうえで、サブテーマとして「ライフライン・生活環境・物資などの課題」「組織化・人材育成(ボランティア・防災士・福祉チームなど)・訓練などの課題」「要配慮者や子供、妊婦、外国人などの避難者への対応課題」を用意し、A~Fの6グループに対してサブテーマが1つずつ割り当てられた。
各グループは、それぞれのサブテーマにおける「国・県との連携」「自治体の自助努力や広域連携」「民間・ボランティアとの連携」について、災害時と平常時の準備においてあるべき姿を話し合った。このようにグループワークでは、平常時と災害時の境目がなく活動する「フェーズフリー」の重要性を意識するように設計された。グループごとの議論はすぐにとりまとめられ、代表者がそれぞれの議論を発表した。