10年でどう変わった? 時間外労働と休日労働に関する法制度
「ビジネスお役立ち情報」でかつて連載されていた「専門家がアドバイス なるほど!経理・給与」(以下「なるほど!経理・給与」)では、2015年(平成27年)10月1日付で『「労働時間の管理」の巻』というコラムが公開されました。労働時間の管理の基本から始まり、残業(時間外労働)を可能とする「時間外・休日労働に関する労使協定」(通称「36協定」)についての解説です。2015年のコラムですから、今から10年以上前のことになります。
その後、「なるほど!経理・給与」では、2017年(平成29年)8月1日付で『「続・働き方改革って何!? ~労働時間管理~」の巻』と題して、政府の「働き方改革」の主要なテーマの一つである長時間労働解消のために設けられた、時間外労働の上限規制について解説がされました。この時点では「政府の改革案」の紹介でしたが、その後2018年(平成30年)6月29日に、労働基準法(以下「労基法」)等をまとめて改正する「働き方改革関連法」が成立しました。
それまでも時間外労働の上限規制は存在したのですが、あくまで「指針」によるものでした。それが、労基法という法律上の制限となったのです。このことは「なるほど!経理・給与」の、2019年(令和元年)8月20日公開の『「残業時間の上限規制について」の巻』でくわしく解説されています。労基法による時間外労働の上限規制は2019年(平成31年)4月1日から施行されましたが、中小企業については1年間の猶予が経過措置として設けられ、2020年(令和2年)4月1日から施行されました。平成から令和という時代の境目に、時間外労働に関しては大きな規制が設けられたことになります。
「なるほど!経理・給与」は2023年10月で好評のうちに連載終了となったのですが、今回の「社会保険労務士コラム」では、その流れを引き継いで、今回は時間外労働と休日労働の基礎知識を確認した上で、「時間外・休日労働に関する労使協定」(通称「36協定」)と時間外労働と休日労働の上限規制について、2026年の状況を踏まえて解説します。
「時間外労働」の基礎知識
そもそも、時間外労働の「時間」や休日労働の「休日」とは何を意味するのでしょうか。まずは当たり前のように使っているこれらの言葉についての定義を確認します。