2024年 4月23日公開

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中小企業のイノベーションを阻害する「人材不足」。限られたリソースで打開するには?

企画・編集:株式会社アーキテクチャー

社会全体で不確実性が増す昨今、イノベーション活動に取り組む中小企業が増えています。イノベーション活動は、新規事業の創出、企業価値の向上、業務プロセスの高度化などを可能にする重要な取り組みです。しかし、すべての中小企業がイノベーションによるメリットを享受できているかといえば、そうではありません。では、なにが中小企業のイノベーション活動を阻害しているのでしょうか。

本記事では政府資料などをひもときながら、中小企業のイノベーション活動が停滞する要因と、その打開策を考察します。

中小企業にとって身近な取り組みとなったイノベーション活動とは?

中小企業庁の「中小企業白書2009年版~イノベーションと人材で活路を開く~」によると、イノベーションは次のように定義されています。

中小企業にとってのイノベーション活動とは、技術革新、新たなサービス等の開発、生産方法の改善、販路の開拓などを通じて、自社の事業の進歩を実現することを指します。

また、経済産業省の「中小企業白書・小規模企業白書2023年版」では、中小企業のイノベーション活動に関する各種調査が実施されています。

従業員規模別にイノベーション活動の実行状況を見ると、小規模企業は約45%、中企業は約59%、大規模企業は約69%となっています。小・中規模企業にとっても、イノベーション活動は身近な取り組みとなりつつある状況が分かります。

さらに、「イノベーション活動によって得られた効果」についての調査もされています。

イノベーション活動によって得られた効果は、競合との差別化、国内外での販路の拡大、顧客満足度などが上位に上げられています。企業経営にとってイノベーション活動がもたらす効果は、重要な役割を果たすといえるでしょう。

いずれの結果からも企業にとってのイノベーション活動の重要性が分かります。イノベーション活動は、企業活動を継続するうえで必要不可欠なものなのです。

イノベーションの実現率は半数程度。最大の阻害要因は「人材不足」

しかし、その一方で「イノベーション実現状況」に関する調査からは、イノベーション活動の難しさも伺えます。