2013年 6月 1日公開

【連載終了】仕事効率を上げるパソコン手帖

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標準の「マイドキュメント」に頼らない、ファイル管理法

テキスト: 太田百合子

パソコンで作成した、さまざまな文書やファイルを保存する「マイドキュメント」。多くのソフトウェアでは、「マイドキュメント」が標準の保存先になっているが、一方でパソコンの上級者になるほど、「マイドキュメント」をそのままでは使わないという話も耳にする。一見、何でも保管しておける“魔法のフォルダ”のようでいて、実は脱初心者への大きな一歩でもある「マイドキュメント」の使いこなし方を紹介する。

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マイドキュメントをチェックしてみよう

「マイドキュメント」は、パソコンを利用するユーザー1アカウントごとに、1つずつ用意されている特別なフォルダ。Windowsで作成した文書やファイルは、基本的にこの「マイドキュメント」に保存される仕組みになっている。何か新しいソフトウェアをインストールすると、多くの場合「マイドキュメント」の中にそのソフトウェア用のフォルダが作られ、そこに作成したファイルが保管される。

もし保存したはずのファイルがデスクトップなどに見当たらないときは、真っ先に「マイドキュメント」を探してみよう。たいていの場合、ファイルはここに保存されているはずだ。「マイドキュメント」が、“魔法のフォルダ”と呼ばれる所以も、こうした点にある。

「マイドキュメント」へは、スタートメニューの「マイドキュメント」もしくは「ドキュメント」からアクセスできる。自分のパソコンの「マイドキュメント」を見ると、さまざまなソフトウェアで作った文書やファイルが、ここに集約されていることがよくわかるはずだ。

Windowsでは「マイドキュメント」が標準のファイルの保存先になっている。自分で特に文書やファイルを保存したつもりがなくても、「マイドキュメント」を開くとソフトウェアごとにたくさんのフォルダが作られていて、そこにデータが保存されている。

Windowsでは「マイドキュメント」が標準のファイルの保存先になっている。自分で特に文書やファイルを保存したつもりがなくても、「マイドキュメント」を開くとソフトウェアごとにたくさんのフォルダが作られていて、そこにデータが保存されている。

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Windows XPとWindows 7で異なるマイドキュメント

Windows XPでは、「マイドキュメント」の中に、写真を保存する「マイピクチャ」フォルダなども含まれていたが、Windows 7では「マイドキュメント」フォルダと同じ場所に、「マイピクチャ」や動画用の「マイビデオ」、音楽用の「マイミュージック」、ブラウザから保存したデータが保管される「ダウンロード」などのフォルダが用意されている。これらはまとめて「ライブラリ」として括られていて、Windows 7ではタスクバーにある「エクスプローラー」を開くと、真っ先に「ライブラリ」が表示されるようになっている。

Windows 7の「ライブラリ」はフォルダではなく、複数のフォルダを「ドキュメント」「ピクチャ」「ビデオ」「ミュージック」といったカテゴリごとに仮想的にまとめたもので、「マイドキュメント」フォルダへは「ドキュメント」からアクセスできる。「ドキュメント」には「マイドキュメント」フォルダのほかに、「パブリックのドキュメント」フォルダがまとめられている。自分で作ったフォルダを登録して、一緒に中身を表示するといったことも可能だ。

デスクトップ下のタスクバーの、スタートボタン近くにある「エクスプローラー」アイコンをクリックすると、「ライブラリ」が表示される。

デスクトップ下のタスクバーの、スタートボタン近くにある「エクスプローラー」アイコンをクリックすると、「ライブラリ」が表示される。

「ライブラリ」には標準で、「ドキュメント」「ピクチャ」「ビデオ」「ミュージック」などのカテゴリが用意されているが、自分で新たなカテゴリを作成して追加することもできる。

「ライブラリ」には標準で、「ドキュメント」「ピクチャ」「ビデオ」「ミュージック」などのカテゴリが用意されているが、自分で新たなカテゴリを作成して追加することもできる。

カテゴリごとに複数のフォルダが登録されていて、まとめて中身を表示できるようになっている。自分でフォルダを追加することもできる。

カテゴリごとに複数のフォルダが登録されていて、まとめて中身を表示できるようになっている。自分でフォルダを追加することもできる。

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マイドキュメントの場所を移動する方法

何も考えずにどんどん文書やファイルを保存していると、当然ながら「マイドキュメント」の容量は次第に大きくなっていく。そうなると、いざフォルダから必要なファイルを検索するにも時間がかかるし、何よりCドライブを圧迫して、パソコンの動作がそのものが不安定になってしまう危険性がある。特に最近は、従来のHDDの代わりに読み書きや起動の速い、SDDを搭載するパソコンが増えている。SDDはHDDに比べてCドライブの容量が小さいため、より注意する必要があるだろう。

文書やファイル、写真、動画、音楽といったデータを、Cドライブ内の「マイドキュメント」や「マイピクチャ」といったフォルダにどんどん保存していくと、このようにSDDはすぐにいっぱいになってしまう。

文書やファイル、写真、動画、音楽といったデータを、Cドライブ内の「マイドキュメント」や「マイピクチャ」といったフォルダにどんどん保存していくと、このようにSDDはすぐにいっぱいになってしまう。

Cドライブを圧迫しないためにも、また万が一のトラブルに備える意味でも、「マイドキュメント」の整理やバックアップは必須。パソコン上級者の間では、バックアップおよびトラブル回避のための手段として、WindowsのシステムがインストールされているCドライブとは別のドライブに「マイドキュメント」を移し、文書やファイルを管理するというのが、一つのセオリーとなっているほどだ。以下にその手順を、具体的に紹介していこう。

「スタートメニュー」からユーザー名を選択し、ユーザーフォルダを開く。

「スタートメニュー」からユーザー名を選択し、ユーザーフォルダを開く。

「マイドキュメント」を右クリックして、表示されたメニューからプロパティを選択する。

「マイドキュメント」を右クリックして、表示されたメニューからプロパティを選択する。

プロパティが表示されたら「場所」タブをクリック。さらに「移動」ボタンをクリックする。

プロパティが表示されたら「場所」タブをクリック。さらに「移動」ボタンをクリックする。

移動先を選択する画面が表示される。別のドライブに「Document」などと名前をつけたフォルダを用意し、それを移動先として選択する。

移動先を選択する画面が表示される。別のドライブに「Document」などと名前をつけたフォルダを用意し、それを移動先として選択する。

「マイドキュメント」の場所が「C:\Users\ユーザー名\Document\」から「指定したドライブ:\新たに作成したフォルダ名\」に変更されたのを確認し、「適用」ボタンをクリックする。

「マイドキュメント」の場所が「C:\Users\ユーザー名\Document\」から「指定したドライブ:\新たに作成したフォルダ名\」に変更されたのを確認し、「適用」ボタンをクリックする。

フォルダの移動を確認する画面が表示される。「はい」を押すとデータの移動が始まる。

フォルダの移動を確認する画面が表示される。「はい」を押すとデータの移動が始まる。

データが移動すると、作成した「Document」フォルダが、「マイドキュメント」となり、アイコンも専用のものに変わる。

データが移動すると、作成した「Document」フォルダが、「マイドキュメント」となり、アイコンも専用のものに変わる。

元に戻す場合は、マイドキュメントのプロパティで「標準に戻す」ボタンをクリックしよう。

元に戻す場合は、マイドキュメントのプロパティで「標準に戻す」ボタンをクリックしよう。

同様の手順で、「マイピクチャ」、「マイビデオ」、「マイミュージック」、「ダウンロード」などの保存先も変更することができる。なお、既に使用中のソフトウェアのファイルの保存先を変更すると、ソフトウェア側でファイルの場所を認識できなくなる場合もある。その場合はソフトウェアの設定で保存先を再度指定しよう。

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オンラインストレージで手軽にバックアップ

Cドライブがいっぱいになってからデータを移すとなると大変なので、「マイドキュメント」の移動は、できればパソコンのセットアップと同時に行いたいところ。また、「マイドキュメント」そのものを別のドライブに移してバックアップする方法のほかにも、オンラインストレージサービスを利用するなどすれば、作成した文書やファイルをさらに手軽にバックアップすることができる。

例えば、オンラインストレージサービス「たよれーる どこでもキャビネット」の場合、専用のソフトウェアをインストール後、「マイドキュメント」内に作成される専用のフォルダに文書やファイルを保存すると、それが自動的にオンラインストレージへもバックアップされる仕組みになっている。

パソコンで作成した文書やファイルは「マイドキュメント」へ、というのは、Windowsの標準仕様ではあるが、こうした取り決めに縛られることなく自分なりのファイル管理ができるようになれば、パソコン初心者は卒業といえるだろう。

たよれーる どこでもキャビネット

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