2016年 4月 1日公開

【連載終了】仕事効率を上げるパソコン手帖

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最新デジタルカメラの選び方

テキスト: 芝田隆広

商品写真や資料写真など、ビジネスの場面でも写真を撮る機会は多い。スマートフォンにもカメラ機能はあるが、きちんとした写真を撮りたいならばやはりデジタルカメラがあった方がいい。そこで今回は、デジタルカメラを選ぶときにどういったポイントに着目すべきかを解説する。

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スマートフォンよりも高品質! ビジネスでデジカメを使うメリット

最近のスマートフォンはどんどん進歩しており、内蔵カメラも高性能になっている。例えばiPhone 6であれば、8メガピクセルの高精細なカメラを搭載しており、iPhone 6 Plusに至っては光学式手ブレ補正機能まで搭載されている。

スマートフォンならば、電話も使えるし、各種アプリも利用できる。なんといってもインターネットにつなげるので、ちょっとした写真を撮って、メールで送信するといった用途には圧倒的に便利だ。

しかし、ちゃんとした写真を撮りたいとなったら、スマートフォンでは力不足な点が多い。スマートフォンの場合は写真撮影を専門とする機器ではないので、まず写真を撮りやすい形状にはできていない。画面をタップしてシャッターを切るという操作方法だと、手ブレがしやすいし、レンズもデジタルカメラのものと比べると機能が低い。ズーム時や高感度時の画質もデジタルカメラの方が上だ。

例えば顧客に見せるための製品写真や、カタログなどの印刷物で使うといった用途であれば、やはり見映えの良い写真の方が訴求力があるので、きちんとしたデジタルカメラを用意して撮影を行いたいところだ。

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どっちを選ぶ? コンパクトデジカメと一眼レフ

では「デジタルカメラを買う」となったときに、どんな機種を選んだらいいだろうか? 現在発売されているデジタルカメラは、そのほとんどが「コンパクトデジカメ」、「一眼レフ」、「ミラーレス一眼」の三つのタイプに大別できる。まずはどのタイプのデジタルカメラにするのかを決めよう。以下にそれぞれの特徴を簡単にまとめてみた。

コンパクトデジカメ

  • レンズ一体型で本体が小型軽量。
  • ファインダーはない機種が多く、液晶画面を使って撮影対象を確認する。
  • 低価格な機種が多い。
  • スマートフォンよりは高画質だが、一眼レフには及ばない(機種によっては例外もある)。

キヤノン「IXY170」の画像

コンパクトデジカメは小型軽量なのが特徴。その分レンズを選ぶことはできない。写真はキヤノン「IXY170」。

一眼レフ

  • 用途に応じてレンズを付け替えられる。
  • イメージセンサーが大きく、一般的に高画質。
  • 光学ファインダーを使って撮影対象を確認できる。
  • サイズは他のタイプより大きく、重量も重い。
  • レンズを多数そろえると高くつく。

キヤノン「EOS 70D」の画像

一眼レフカメラは用途に応じてレンズを使い分けられるのが特徴。サイズは大きいが、高画質で、設定項目も細かく、より凝った撮影ができる。写真はキヤノン「EOS 70D」。

ミラーレス一眼

  • 一眼レフとコンパクトデジカメの中間的存在。
  • 光学ファインダーの代わりに電子ビューファインダーや液晶を利用する。
  • 一眼レフよりは小型軽量。
  • 用途に応じてレンズを付け替えられる。
  • イメージセンサーの大きさは機種によって差があり画質はまちまち。
  • レンズを多数そろえると高くつく。

富士フイルム「FUJIFILM X-Pro2」の画像

ミラーレス一眼は、一眼レフとコンパクトデジカメの中間的存在。コンパクトながらレンズの付け替えが可能。写真は富士フイルム「FUJIFILM X-Pro2」。

「コンパクトデジカメ」と「一眼レフ」(およびミラーレス一眼)の最も大きな違いは、レンズの付け替えができるかどうかだ。一眼レフ/ミラーレス一眼の場合、ズームレンズやマクロレンズ、単焦点レンズなどのオプションが用意されており、用途に応じて好きなレンズを選ぶことができる。

また撮影時の設定項目も、一眼レフ/ミラーレス一眼の方が細かくなっており、画質もおおむねコンパクトデジカメより上だ。ただ機能は限られるものの、コンパクトデジカメの方が小型軽量で、ポケットに収まるサイズのものも多い。

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用途をしっかり定めてデジタルカメラを選ぼう

コンパクトデジカメ、一眼レフ、ミラーレス一眼、各タイプにはそれぞれメリットデメリットがある。どれを選ぶかは「どういう写真を撮りたいか」「どういうシーンで使うのか」による。そこでまずは用途を明確にしてから選択を行おう。

実際にどちらを選ぶべきかは用途による。例えば、社内報に使う写真などで「極端に高い品質は要求されないものの、スマートフォンのカメラでは不足する」といった用途ならコンパクトデジカメで十分だ。また「出張が多く荷物は軽くしたい」といった人は、コンパクトデジカメの方がいいだろう。初心者で「一眼レフカメラを使いこなす自信がない」といった人は、まずコンパクトデジカメで撮影に慣れるのも手だ。

「顧客へのプレゼン資料を作成したい」「社外へ配る印刷物で使いたい」といった場合は、レンズを付け替えたり、撮影モードなどの詳細な機能を設定したりして、細部までこだわった撮影ができる一眼レフカメラを選ぶのが良いだろう。一眼レフカメラの方が覚えなければいけないことが多い半面、しっかり勉強すれば自由度の高い撮影ができるのが魅力だ。

「レンズは選びたいが大きくて重いデジタルカメラはちょっと……」という場合は、ミラーレス一眼を選ぶといいだろう。

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デジカメのスペックの読み方

タイプを決めたら、あとはどの製品を購入するか選んでいくわけだが、デジタルカメラのスペック表を見ると大量の項目があるのでどれを選ぶか迷ってしまう人も多いだろう。そこでビジネスユーザーが注目すべきスペック項目をまとめてみた。

光学ズーム/電子ズーム倍率

どのくらい撮影対象を拡大して撮影できるか。ズームの倍率が高いほど遠くの被写体を大きく撮影できる。光学ズームはレンズを動かすことによって焦点距離を変化させる方式で、ズームしても画質が劣化することはない。デジタルズームは、レンズは動かさずに、撮影したデータを拡大する方式。デジタルズームを行うと画質は粗くなるので、基本的には使わない方が無難。「発表会などで遠くにいる話者を撮りたい」といった用途が多い人の場合は、光学ズームの倍率が大きい製品を選びたいところだ。

撮影感度

「ISO400」などといった具合に表記される。「ISO」のあとの数値が高いほど、暗い場所でも明るく撮影することが可能。ISO800以上あれば高感度撮影対応といえる。

動画解像度、fps

最近のデジタルカメラは動画の撮影にも対応したものがほとんどだ。その際の画質を示す数値。解像度は1920×1080ドットがいわゆる「フルHD」と呼ばれる高画質なモード。fpsは「1秒間を何コマで撮影できるか」を示す数値だ。30fpsあれば動画がコマ送りになったりカクついたりすることはない。60fpsあればより滑らかな動画となる。

無線LAN対応

最近のデジタルカメラでは無線LAN機能を搭載したものが増えてきた。カメラが無線LANに対応していれば、USBケーブルなどを使わなくても、パソコンやスマートフォンに撮影した写真を転送できる。いちいちオフィスなどのパソコンや、スマートフォンなどにデジタルカメラを接続して写真を取り込む手間が省ける。また機種によって無線LAN経由で、スマートフォンのアプリを使ってデジタルカメラを遠隔操作して、離れた場所からシャッターを切ることができる。自分の顔写真を撮影しするときなどに便利だ。

ソニー「DSC-HX90V」の画像

無線LAN対応デジタルカメラなら、撮影した写真の転送を無線LAN経由で行えるので手軽だ。また写真のソニー「DSC-HX90V」のように、スマートフォンからデジタルカメラを遠隔操作して、離れた場所からシャッターを切る機能を持った機種もある。

大きさ/重さ

本体のサイズや重量。出張に持っていくことが多いといった場合は、小型軽量のものの方が荷物がコンパクトになって便利なので、必ずチェックしておきたい項目だ。

RAW形式への対応

写真を撮る際の保存方式。通常のカメラは画像をJPEG形式で保存するが、JPEG形式の場合、撮影後の画質調整の自由度が限定される。RAW形式で保存しておけば、撮影後に画像を見て、画質の調整を自由自在に行うことができる。商品写真などの色味に細かくこだわりたいユーザーは、RAW形式への対応をチェックしておきたい。

別売りレンズの種類

一眼レフ・ミラーレス一眼の場合は、別売りのレンズを購入することで、さまざまな用途に合わせた撮影ができる。そのカメラでどのようなレンズが使えるかは事前にチェックしておくといいだろう。

このようにデジタルカメラを選ぶときにはさまざまなチェックポイントがある。そしてできれば店頭で一度実機を手に取ってみることをお勧めしたい。手で持ったときにしっかりホールド(固定)できるかどうか、ズームなどの操作はやりやすいか、重さはどうか、などなど。以上のような点を踏まえて、自分にとって使いやすいデジタルカメラを選んでもらいたい。

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