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Adobe Acrobat Reader DCで快適な文書閲覧
PDF(Portable Document Format)は、電子文書の標準的なフォーマットとして不動の地位を築いている。PDFはアドビシステムズが開発したもので、文字の情報だけでなく、画像や写真などの図版や、フォントの種類、文字の大きさなどの情報が記録でき、紙の印刷物などと同じようなレイアウトで画面に表示できるのが特徴だ。
PDFファイルを閲覧するためのソフトとしては、「Adobe Reader」が使われていたが、現在は2015年4月に登場した「Adobe Acrobat Reader DC」が標準となっている。この「DC」は「Document Cloud」の略で、アドビシステムズが提供しているクラウドサービスの「Adobe Document Cloud」にも対応している。
「Adobe Acrobat Reader DC」になって、さまざまな便利機能をタッチパネルでも使いやすくする「ツールセンター」など、ユーザーインターフェイスが抜本的に改良された。
また文書を手軽にメールで送信し署名できる「e-sign」、モバイル端末との連携を行う新しい「Mobile Link」機能、オンラインファイルを手軽に共有できファイルの処理状況も確認できる安心感の高いファイル共有機能「送信とトラック」などが搭載されている。
「Adobe Acrobat Reader DC」は無料で利用できる。アドビシステムズのWebサイトにアクセスし、OSと言語を選び、ダウンロードするバージョンとして「Reader DC 2015.010.20056 Japanese for Windows」(2015.010. 20056の部分はその時点での最新バージョン番号が入る)を選択し「今すぐダウンロード」をクリックすれば入手可能だ。なお「Reader 11.0.10 Japanese for Windows」を選択すると、従来の「Adobe Reader」もダウンロード可能だ。
アドビシステムズWebサイト
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Adobe Acrobat Reader DCでできること
「Adobe Acrobat Reader DC」は、従来の「Acrobat Reader」とは画面デザインも変わり、さまざまな機能が利用できるようになっている。画面は大きく分けて三つのタブを切り替えて利用する。
タブの構成は、ファイルの管理を行う「ホーム」タブ、さまざまな便利な機能のボタンが並んだ「ツール」タブ、そして個々のPDFファイルを開くタブの3種類。ファイルは、複数個同時に開いて、タブクリックで切り替えて表示できる。
「ホーム」タブではファイルの管理を行う。「最近使用したファイル」や、クラウドサービスの「Document Cloud」などを参照することができる。
「ツール」タブからは「Adobe Acrobat Reader DC」のさまざまな機能を利用できる。中には有料サービスなどを使わないと利用できないものもある(後述)。
各PDFファイルを表示するタブ。表示倍率の変更や印刷などは、従来の「Adobe Reader」同様ツールバーから利用可能だ。
PDFファイルをダブルクリックしてファイルを開くと、各ファイルのタブが表示される。パッと見て目立つのが左右に表示される、しおりやツールの並んだ領域だ。ここからさまざまな機能が使えるが、文書を読むのにジャマだと思ったら三角印のボタンをクリックしていったん隠してしまうか、「表示」で「閲覧モード」にするといい。
ツールバーがジャマだなと思ったときは、文書ファイルの表示エリアと、ツールバーの間にある三角印のボタンをクリックすればツールバーを隠せる。
よりスッキリPDF文書を表示したい場合は「表示」から「閲覧モード」を選択する。
するとツールバーを全て非表示にした状態で、PDF文書を閲覧していくことができる。
無料で使えるツールの中で便利なのが「注釈」機能だ。「注釈」ボタンをクリックするとツールバーが表示され、PDF文書の中にメモや注釈を追加したり、ちょっとした文字を書き加えることができる。テキストに下線を引いたり、気になるところにマーカーを塗ったりするといったことも可能だ。「承認済み」などの「スタンプ」を押す機能もツールバーから利用することができる。
「注釈」ボタンをクリックするとツールバーが表示される。PDF内のテキストにマーカーを引いたり、下線を入れる、吹き出しを入れてメモを書き込む、スタンプを押す……などの機能が利用できる。
「Adobe Acrobat Reader DC」で使えるようになった「送信とトラック」機能は、アドビシステムズのクラウドサービスである「Adobe Document Cloud」のサーバーにファイルをアップして、他のユーザーに送信できる機能。これを使えばメールに添付できないような大容量ファイルでも気軽に送信することができる。
<「送信とトラック」機能の使い方>
1
「送信とトラック」は、クラウドを使ってファイルを送信する機能。「送信とトラック」ボタンをクリックすれば利用できる。
2
このような画面が表示されるので「リンクを作成」するボタンをクリックして送信を行う。なお利用するには「Adobe Document Cloud」のIDが必要。「リンクを作成」するボタンを押すとログイン画面が表示されるが、Adobe IDを持っていない人はその画面からIDを取得することができる。
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有料版・サブスクリプションの購入でさらに便利に
「Adobe Acrobat Reader DC」の無料版は、PDFの閲覧や注釈の挿入など、必要最低限の機能が利用できるようになっている。以下に示す有料サービスを利用すると、より高度な使いこなしが可能になる。
<Adobe Acrobat Reader DCの有料追加サービス>
サービス名 | 概要 | 料金 |
---|
Adobe Export PDF | オンラインでのPDFをWord/Excel変換 | 200円/月(税別) |
Adobe Send for Signature | 署名を収集し、リアルタイムで処理状況をトラック | 1007円/月(税別) |
Adobe Send & Track | すばやく簡単にファイルを共有・追跡できる | 134円/月(税別) |
Adobe PDF Pack | 文書と画像をPDFに変換。PDFファイルの変換・結合・送信が行える | 575円/月(税別) |
「Adobe Acrobat Reader DC」の「ツール」タブには、多彩な機能が並んでいるが、その中で無料版で利用できるものは限定される。また上記の4種類の有料サービスだけでは使えないものも含まれている。編集を中心とした高度な機能では、「Acrobat Standard DC」や「Acrobat Pro DC」が必要となるものもある。「ツール」タブに表示されている機能の無料版での利用可否を以下の表に示した。
<ツールタブの項目の無料版での使用可否>
ツールタブの項目 | 概要 | 無料版での使用可否 |
---|
注釈 | PDFファイル内に注釈を挿入する | ○ |
入力と署名 | PDFファイルに自分の署名を追加する | ○ |
送信とトラック | 大容量のPDFファイルなどをクラウドを利用して他ユーザーに送信する | ○ |
スタンプ | PDFファイル内にスタンプを挿入する | ○ |
証明書 | PDFファイルに自分の署名を追加する電子署名を入れる | ○ |
ものさし | PDFファイルを紙に印刷した場合の2点間の距離を表示する | ○ |
PDFを書き出し | PDFをWordやExcel、PowerPoint形式に変換 | Adobe Export PDFもしくはAdobe PDF Packが必要 |
PDFを作成 | 画像およびファイルをPDFに変換 | Adobe PDF Packが必要 |
署名用に送信 | 簡単な手順で署名用に文書を送信する | Adobe Send for Signatureが必要 |
ファイルを結合 | 二つ以上のファイルを結合し、ページを正しい順に並べる | Adobe PDF Packが必要 |
ページを整理 | ページの挿入、削除、並べ替え、回転、分割、抽出、置換を行う | Acrobat Standard DC/Acrobat Pro DCが必要 |
スキャン補正 | 紙の文書をスキャンして編集可能なPDFに変換 | Acrobat Standard DC/Acrobat Pro DCが必要 |
保護 | 他のユーザーがPDF内の情報をコピー・印刷・編集できないように保護する | Acrobat Standard DC/Acrobat Pro DCが必要 |
フォームを準備 | 入力可能なPDFフォームを作成 | Acrobat Standard DC/Acrobat Pro DCが必要 |
PDFを最適化 | PDFファイルを圧縮する | Acrobat Standard DC/Acrobat Pro DCが必要 |
注釈用に送信 | レビュアーの注釈を自動的に一つのPDFに収集し、文書のレビューを簡略化 | Acrobat Standard DC/Acrobat Pro DCが必要 |
カスタムツールを作成 | Acrobatの機能をカスタマイズして他のユーザーと共有 | Acrobat Standard DC/Acrobat Pro DCが必要 |
PDFを編集 | PDF文書のテキストおよび画像を簡単に編集 | Acrobat Pro DCが必要 |
墨消し | PDF内の機密情報を削除する | Acrobat Pro DCが必要 |
文書を比較 | PDFの二つのバージョンを比較して違いをハイライト表示する | Acrobat Pro DCが必要 |
アクションウィザード | アクションウィザードを使用して、繰り返しの作業を標準化する | Acrobat Pro DCが必要 |
印刷工程 | ハイエンド印刷やデジタルパブリッシング用に印刷工程を準備する | Acrobat Pro DCが必要 |
アクセシビリティ | 障がいのあるユーザーのためのアクセシビリティ基準を満たすPDFファイルを作成 | Acrobat Pro DCが必要 |
PDF規格 | ISO規格に準拠するようにPDFを変換 | Acrobat Pro DCが必要 |
リッチメディア | 動画や音声などをPDFファイルに追加する | Acrobat Pro DCが必要 |
有料サービスや、「Adobe Acrobat Standard/Pro DC」の購入は、アドビシステムズの公式サイトから行える。また企業で一括導入する場合などは、大塚商会が提供するサブスクリプション版を申し込めば、サポートも充実しているので安心して導入できるだろう。
Adobe Creative-Cloud
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