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無償アップグレード期間終了で本格的なWindows 10時代に突入
Windows 10の登場から1年がたった。Windows 10は、旧Windowsからの速やかな移行を進めるため、「1年間限定でWindows 7/8.1から無償でアップグレードできる」という画期的な方針を打ち出して話題を呼んだ。その期限もついに7月28日をもって終了した。これを機会に慌ててWindows 10にしたユーザーも多いだろう。
逆に「まだWindows 7/8.1などの旧OSのまま」という人もいるだろうが、旧OSについてはサポート期限がいずれ切れる。サポート期限についてはマイクロソフトのWebサイトに掲載されている。
マイクロソフト「Windows 7 メインストリーム サポート終了のお知らせ」
Windows 7は既にメインストリームサポートが終わり、延長サポートのみとなっている。「延長サポート」とは、要するに「セキュリティ面でのサポートしか行われない」という状態だ。Windows 8/8.1についてはまだ時間的余裕はあるものの、2018年1月9日にはメインストリームサポートが終了してしまう。今後の機能向上は望めない。
マイクロソフトのWebサイトに掲載されているWindowsのサポート期限についての情報。Windows 7も既にセキュリティ面でのサポートのみの「延長サポート」期間に入っている
Windows 10については、マイクロソフトが公式に「Windows 10が最後のWindowsになる」と明言している。つまり「Windows 11はない」ということだ。今後は、Windowsの新機能については、新しいWindowsを出すのではなく、Windows Updateを通じてアップデートの形で提供されていくことになる。逆に言えば「Windows 10にしてしまえば、今後はずっと最新のWindowsを使い続けることができる」ことを意味する。
最近では個人情報の流出などが話題になることが多いが、「サポート切れのOSを使っていたためにセキュリティホールが生じていた」などという事態になると、企業の社会的信用が大きく損なわれるし、最悪の場合、多額の賠償を請求されることもあり得る。今後のことを考えると、なるべく早めにWindows 10に乗り換えておくことが望ましい。
そこで今回は、あらためてWindows 10初心者のために、「Windows 10はどんなOSなのか」という基本の基本を解説していく。これまでの連載内容で既に触れた部分が多くなるが、既読の方も、ぜひこの機会にあらためて振り返ってもらいたい。
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Windows 10のエディションについて
Windows 10もこれまでのWindowsと同様、いくつかのエディションが用意されている。Windows 10には、コンシューマー向けの「Home」「Mobile」「Pro」、企業向けの「Enterprise」「Mobile Enterprise」、教育向けの「Education」などのエディションがリリースされている。
それぞれのエディションの機能の相違点は多岐にわたるため、マイクロソフトの「Windows 10エディションの比較」ページ、「すべて展開」をクリックして確認してもらいたい。
マイクロソフト「Windows 10 エディションの比較」
詳しい比較についてはここでは行わないが、小規模企業のユーザーであれば「Windows 10 Pro」、それ以上の規模であれば「Windows 10 Enterprise」を主に利用するケースが多くなるだろう。
マイクロソフトの「Windows 10エディションの比較」。「すべて展開」をクリックすると、各エディションの詳細が表示される。
Windows 10のエディションごとの比較を展開したところ。ビジネスユーザーが主に使うのは、コンシューマーおよび小規模オフィス用と想定されている「Pro」および企業用の「Enterprise」だろう。
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Windows 10はこう変わった
それではWindows 10は、従来のWindowsとはどう違うのか? 主立った機能を紹介していく。既にWindows 10を使ったことのある人にとっては「いまさら」という内容だが、あらためて振り返ってみるのもいいだろう。
新しいインターフェイスとスタートボタンの復活
Windows 10を使い始めてまず最初に目に付く変化が、新しくなったユーザーインターフェイスだろう。特にWindows 8のユーザーにとっては、スタートボタンとスタートメニューが復活したのは目に付く点だ。
またWindows 8で導入された、主にタッチパネルで使いやすいタイル形のインターフェイスも「タブレットモード」として残されている。これはタスクトレイの「アクションセンター」をクリックして「タブレットモード」を選択すれば切り替えられる。
復活したスタートボタンとスタートメニュー。新しいスタートメニューにはタイルインターフェイスも統合されている
タブレットモードを呼び出すときには、タスクトレイのフキダシ形のアイコンをクリックして「アクションセンター」を呼び出し、「タブレットモード」を選択する。
タッチパネルでも使いやすいタブレットモードに変更される。
タスクビュー機能・仮想デスクトップ機能
こちらも新しいインターフェイスの一つだ。「タスクビュー機能」は、現在起動中のアプリのウィンドウを縮小画像で並べて見やすく表示し、手軽に切り替えられるものだ。iPhoneやAndroidなどのスマートフォンやタブレットでのアプリ切り替えに近いものと考えればいいだろう。[Windows]+[Tab]キーで呼び出せる。
[Windows]+[Tab]キーを押すとタスクビュー機能が利用できる。複数のウィンドウを縮小画像クリックで切り替えて使い分けられる。
「仮想デスクトップ機能」は、複数のデスクトップを仮想的に作成し、切り替えて使える機能。[Windows]+[Tab]キーで「タスクビュー」機能を呼び出し、「新しいデスクトップ」ボタンをクリックすることで、複数のデスクトップを作成できる。例えば「デスクトップ1」ではExcelを開いておき、「デスクトップ2」ではメールを開いておく……といった使い分けができる。画面の狭いノートやタブレットでは威力を発揮する機能と言えるだろう。
「仮想デスクトップ機能」は、一つの画面で複数のデスクトップを切り替えて使える機能。上記のタスクビュー機能の画面で、「新しいデスクトップ」ボタンをクリックすると、仮想デスクトップを増やすことができる。
新しい検索機能と音声アシスタント「Cortana」
Windows 10の標準状態だと、スタートボタンの右横に「WebとWindowsを検索」あるいは「何でも聞いてください」という検索ボックスが表示されている。
「WebとWindowsを検索」では、このボックスに検索ワードを入力することで、パソコン内のファイルやインターネット検索を手軽に行える。
スタートボタン横の「WebとWindowsを検索」ボックスから手軽に検索が行える。
「インターネット」と入力して検索してみたところ。「自分のコンテンツ」をクリックすると、ファイルやプログラムの検索が可能。「ウェブ」をクリックすると、インターネットを使ってワード検索ができる。
「WebとWindowsを検索」をクリックして「設定」ボタンをクリックし、「Cortanaは、おすすめの最新情報の表示、リマインダーや通知を設定、その他さまざまなことができます。」の項目をオンにすると、Windowsの新しい音声アシスタントである「Cortana」が利用できる。
「Cortana」とは、iPhoneに搭載されている「Siri」のように、音声で情報を検索できるパーソナルアシスタントだ。例えば「今日の天気は?」とマイクに話し掛けると、今日の天気予報を表示してくれる。「いちたすいち」と話し掛けると電卓が起動し答えを表示してくれるなど、さまざまなことが行える。Cortanaのアイコンをクリックし、メニューの「?」をクリックすると、Cortanaで行えることの例が表示されているので、いろいろと試してみるといいだろう。
「WebとWindowsを検索」をクリックして、左側のメニューから「設定」ボタンをクリックして、Cortanaを「オン」にする。
検索ボックスが「何でも聞いてください」に変わる。検索ボックスの右側にあるマイクボタンをクリックしてマイクに語り掛けると検索などが行える。
マイクに「今日の天気」と語り掛けてみたところ、天気予報や気温などが表示された。
新しいWebブラウザー「Microsoft Edge」の搭載
Windows 10では、OS標準のWebブラウザーが従来の「Internet Explorer」から、「Microsoft Edge」に変更された。「Internet Explorer」は、最初のバージョンの登場から既に20年以上がたっており、インターネットの最新技術に対応するのが難しくなっていた。「Microsoft Edge」になったことで、より軽快かつ快適にWebブラウジングを行えるようになった。
新しく搭載されたWebブラウザーの「Microsoft Edge」。シンプルな画面で動作も軽快。
なお「Internet Explorer」も補助的ブラウザーとして残されており、スタートメニューの「すべてのアプリ」内「Windowsアクセサリ」から呼び出すことができる。
このほかにも、指紋認証やWebカメラに顔を映すことなどで手軽にサインインが行える「Windows Hello」、セキュリティ面の向上、最新のデバイスへの対応などさまざまな面がブラッシュアップされている。
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Windows 10、実際の使用感は?
筆者もWindows 10はプレビュー版の頃から利用しているが、実際に使ってみると、想像以上に違和感がない。スタートメニューが復活したおかげで、Windows 7に慣れていたユーザーにとっても、移行で戸惑う点が少なくなった。
また体感速度の面でも不満はなかった。「古いパソコンだから新しいOSを入れると遅くなるのでは?」と思う人もいるだろうが、ネットでさまざまなユーザーの意見を見てみると、パソコンによっては起動速度など、Windows 7/8.1よりも全体的に体感速度が速くなるケースは多いようだ。
古いソフトの場合、Windows 10では動かないというケースはあるようだが、登場から1年がたってだいぶソフトの対応も進んでいる。「Windows 7/8.1で動いていたソフトがWindows 10で動かない」というケースはだいぶ減っており、移行への障害は少なくなってきていると言えるだろう。
Webサービスの中には「Microsoft Edgeでは正常に表示されない」というものもいまだにあるが、Windows 10にはInternet Explorerも搭載されているので、こちらもさほど問題にはならないだろう。
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Windows 10への移行は迅速に
ここまで触れてきたとおり、Windows 10は最後のWindowsとなる。今後、最新の機能はWindows 10でないと使えなくなってくるし、セキュリティ面でのサポートもWindows 10を中心に行われるようになってくる。今後は旧OSへのサポートがなくなっていくので、オフィスのパソコンはなるべく早めにWindows 10に移行した方がいい。
とはいえ「全てのパソコンのOSを入れ替える」というのもなかなか面倒な作業だ。そこで一括導入を行うのであれば、「Windows 10移行支援サービス」を利用してみるといいだろう。導入前の情報収集からアフターサポートまで、幅広い支援を得ることができる。
大塚商会「Windows 10移行支援サービス」
大塚商会「Windows 10移行支援サービス」。
Windows 10の概要に関するワークショップや導入計画診断支援サービス、コンサルティング、Internet Explorer安心アップグレードサービスなどのメニューが用意されているので、安心してWindows 10への移行が行えるはずだ。
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