2019年 6月

仕事効率を上げるパソコン手帖

ビジネスを効率化するデュアルディスプレイのメリットと導入方法

テキスト/コヤマ タカヒロ

同画面を2台のモニターで表示する「デュアルディスプレイ」。これまではいわゆるヘビーユーザーの間で使用されてきたが、USB Type-Cの普及拡大などより、一般的にも気軽に導入しやすくなった。今回はデュアルディスプレイ化のメリットと導入方法を解説する。

デュアルディスプレイって何?

デュアルディスプレイとはパソコンに2台のディスプレイを接続して利用する方法のこと。3台以上を接続するとマルチディスプレイとなる。以前はデスクトップPCに専用のグラフィックカードを差すことで実現できる機能だったが、現在はノートPCでも簡単に利用できるようになっている。鍵となるのがHDMI端子とUSB Type-C端子だ。

デュアルディスプレイの最大のメリットは、画面の表示エリアが格段に広がるということ。ディスプレイが1台だと複数のウィンドウを切り替えて表示する必要があったのに対して、デュアルディスプレイなら、例えばWebブラウザーと表計算ソフトを同時に全画面で表示することができ、仕事効率を飛躍的に向上させられるというわけだ。

ディスプレイを2台使わず、4Kディスプレイなど超高解像度に対応したディスプレイを使う選択肢もある。また、最近では左右はより広い、超ワイドディスプレイも数多く登場している。画面にエクセルのシートだけを広げて大画面で使いたいといった場合は、こちらの高解像度ディスプレイが向いている。しかし、デュアルディスプレイの方が低コストで導入できるうえ、手軽に複数のウィンドウが並べられるなどメリットも多い。

PC本体とデュアルディスプレイを利用する場合の接続方法として現在主流なのが、HDMI端子とUSB Type-C端子だ。デスクトップパソコンの場合はこれにDisplayPortも加わる。中でも注目なのがUSB Type-C端子。USB 3.1以上に対応したケーブルを利用することでパソコンから電源供給も行えるため、ケーブル1本でデュアルディスプレイが可能となるのだ。HDMI端子やDisplayPortを使った場合は別途電源を接続する必要がある。なおVGA端子を搭載するパソコンも少なくないが。この場合、アナログ接続となるため、画質が大幅に落ちることに注意したい。

オフィスなどに1万円台の低価格なディスプレイをもう1台用意するだけで簡単にデュアルディスプレイ環境が作れる
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デュアルディスプレイ環境を作る

それでは実際にWindows 10 PCでデュアルディスプレイ環境を作ってみよう。ノートパソコンの場合方法は簡単だ。本体に装備するHDMI端子やDisplayPort、USB Type-C端子にケーブルを接続。ディスプレイ側も同じようにつないで、電源を入れるだけ。

画面が映らない場合はWindows 10の通知メニューから「画面」を選び、「拡張」を選択する。これで外部ディスプレイにも画面が表示されるはずだ。

通知メニューの「画面」からデュアルディスプレイの表示方法が選択できる

ディスプレイの位置や解像度、文字のサイズなどを変更したい場合はデスクトップを右クリックして、「ディスプレイ設定」を選択する。「ディスプレイ」メニューで画面の位置を変更したり、文字のサイズや解像度の変更をしたりできる。

高解像度で小さなディスプレイを選んだ場合などは、文字が小さすぎて見にくい場合もあるので、「テキスト、アプリ、その他の項目のサイズを変更する」からパーセンテージを変更して自身が見やすい設定に調整しよう。

画面の表示サイズなどは設定の「ディスプレイ」から調整できる

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モバイル環境でもデュアルディスプレイが便利

一般的にはデュアルディスプレイは、デスクトップPCやオフィスでノートPCを使うときに利用することが多い。ノートPCの小さなディスプレイでそのまま仕事をするよりも、オフィスで使うときは大きなディスプレイに接続し、デュアルディスプレイにするというわけだ。

さらに一歩進むと、小型のモバイルディスプレイを使用することで、外出先でもデュアルディスプレイが手軽に利用できる。GeChicの「On-Lap」シリーズはモバイルディスプレイの定番製品の一つ。11インチから15.6インチまで多くのサイズを用意しており、タッチ対応モデルも選択できる。

OnLap モバイルモニター&タッチモニター(GeChicのWebサイトが開きます)

これらの携帯用のモバイルディスプレイを利用すれば、カフェや出張先のホテルなどで、オフィスと変わらないデュアルディスプレイ環境が作り出せる。

注意したいのは、モバイルディスプレイはサイズによるが500g~1kg前後の質量があるモデルが多いため、それだけ荷物は重くなるということ。

また、USB Type-C端子以外で接続する場合は、ディスプレイ用の電源ケーブルなども持ち歩く必要があり、荷物はさらに増える。それでいてノートPCとディスプレイを両方置く必要があるため、新幹線のテーブルなど、設置場所が狭い場合は利用するのは難しい。

ただし、モバイルディスプレイを持ち歩く分の重さが増えることなどを加味しても、デュアルディスプレイによる仕事の効率のアップは見逃せない。長期間の出張先で、デスクワークをしっかりと行う必要があるなら、デュアルディスプレイ環境を用意するのも手だ。

USB Type-C端子を装備するアイ・オー・データ機器の「LCD-MF161XP」(写真左)。15.6型ワイド液晶ディスプレイでケーブル接続が可。筆者私物
LCD-MF161XP(オフィス用品の通販サイト「たのめーる」が開きます)

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デュアルディスプレイのさらなる活用方法

一般的なデュアルディスプレイは同じディスプレイを2台並べて利用する。オフィスなどでノートパソコンを使うときは、据え置きのディスプレイとノートPC本体のディスプレイを並べることになる。この机の位置などの環境によってだが、ノートPCのディスプレイをやや倒し気味にすることで、ディスプレイを前後に置くスタイルでも使える。ノートPCのディスプレイと据え置きディスプレイのサイズが大きく違うときなどに使える手だ。

複数のディスプレイの配置は自由に設定できる

また、画面を縦向きにできるピボット機能を搭載した液晶ディスプレイを使っている場合は、あえて縦向きに使うという手もある。一般的なフルHDのディスプレイの場合は、解像度は1,920×1,080ドットだが、縦向きにすることで縦方向の解像度を1,920ドットにできるというわけだ。これはWord文章などを1ページまでは表示しながら編集したいといったときに便利だ。

なお、出張先にディスプレイを持って行くのがきついという場合、HDMIケーブルだけは持って行こう。後はホテルのテレビに接続すれば、テレビを二つめのディスプレイとして使えるのだ。テレビの位置や解像度の問題で使えないこともあるが、部屋によっては、オフィスと同じような環境が作り出せる。さらに外付けキーボードなども組み合わせれば、ノートPCとは思えないような環境も作り出せるのだ。

高速なCPUや、大容量のメモリーよりも、デュアルディスプレイを導入する方が仕事は目に見えて効率化する。特に複数の情報を参照しながら文書などをまとめるような、クリエイティブな仕事ではデュアルディスプレイ恩恵は大きい。作業の生産性をアップするためにも、デュアルディスプレイ導入を検討されてはいかがだろうか。

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