2021年 1月

仕事効率を上げるパソコン手帖

スマホでもビジネス!「Microsoft Office」を使いこなす

ライター/芝田隆広

外出先や移動中などでもちょっとビジネス文書を利用したいとき、いちいちノートパソコンを取り出すのは面倒だ。そこで利用したいのがスマートフォン。スマホ・タブレット用の「Microsoft Office」は無料で使えるので、ぜひ使いこなしてほしい。

無料で使える! スマホ・タブレット用「Microsoft Office」

外出先で資料の確認をしたり、移動中のちょっとした時間を利用して文書を修正したりしたい――。そんなときスマホでサッと作業ができれば非常に便利だ。そこで利用したいのがスマホ版の「Microsoft Office」だ。

2020年2月にリリースされたAndroid/iOS版の「Microsoft Office」は、それまで個別にリリースされていたスマホ版Word、Excel、PowerPointを1本に統合したアプリとなっている。無料でほとんどの機能を利用できるので、使わないのはもったいない。ぜひスマホにインストールしてビジネスに役立ててもらいたい。

マイクロソフトのスマホ版Microsoft Officeの製品ページ(https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/mobile)。「Androidアプリを入手する」「iOSアプリを入手する」のリンクをたどって、アプリをインストールしよう

上記のリンクから、Androidなら「Playストア」、iOSなら「App Store」を開き、アプリをインストールする

インストールするとサインインが求められる。Windows 10で使っているMicrosoftアカウントがあるならそのIDでサインインすると、クラウドストレージである「OneDrive」や、後述するWindows 10との付箋の共有などが行える

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スマホ版「Microsoft Office」(無料)でできること

では実際にスマホ版のMicrosoft Officeアプリで何ができるのかを見ていこう。以下ではAndroid版の画面を掲載しているが、iOS版でも同等の機能が搭載されている。

Office文書の閲覧、編集、新規作成(OneDriveの利用)

まず当然のことながら、Office文書の閲覧、編集、新規作成はPC版と同様に行える。スマホ版Microsoft Officeを起動すると、利用できるファイルの一覧が表示される。Microsoftアカウントでサインインした場合は、マイクロソフトのクラウドストレージである「OneDrive」内のファイルが表示される。

スマホ版Microsoftのホーム画面。Windows 10 PCと同じMicrosoftアカウントでサインインすると、OneDrive内のファイル一覧が表示される。PCとスマホで同じファイルを共有して閲覧・編集などが行える

Excelファイルを開いてみた。このようにファイルの中身を閲覧したり、編集したりできる。出先でも資料の確認が簡単に行えるので便利だ

ホーム画面で「+」ボタンをタップして「ドキュメント」を選択すると、Word、Excel、PowerPointの新規ファイルを作成できる。「白紙の文書」「空白のブック」「新しいプレゼンテーション」ボタンをタップすることで、それぞれのファイルの新規作成画面となる

書類のスキャン

スマホ版Microsoft Officeには「スキャン」という機能が用意されている。これはスマホのカメラで紙の書類を撮影すると、自動でテキストを認識してOffice文書に変換してくれるという機能。またExcelからスキャンすると、表の取り込みも行うことができる。

スキャンを行うときは、ホーム画面で「+」→「ドキュメント」を選択する。文書を取り込みたい場合は「Word」の「テキストのスキャン」、表の取り込みを行いたいときは「Excel」の「テーブルのスキャン」を選択する

Wordの「テキストのスキャン」を選択して書類を撮影する。取り込み範囲は自動で設定され、傾きの補正なども行ってくれる

こちらはExcelの「テーブルのスキャン」で表組みを取り込んでみたところ。表組みや文字を自動で識別して取り込んでくれる。撮影状態によって誤字が出る場合もあるが、手でいちいち打ち込むよりははるかに楽だ

スキャンして「開く」を選択すると自動で認識された表組みと内容がExcelファイルに貼り付けられる

PDFファイルの作成

スマホ版Microsoft Officeには、WordやExcelなどで作成、編集したファイルをPDFとして書き出す機能も用意されている。PDFには署名を入れることも可能だ。

ホーム画面のファイルの横にある三つの点をタップするとこのようなメニューが表示される。「PDFに変換」を選択すれば、Office文書を手軽にPDF化できる

さらにPDF化したファイルにテキストを追加したり、PDFに署名を入れたりすることも可能。またPDFからWordへの変換機能も用意されている

Windows 10の付箋と連携してメモを共有できる

Windows 10には標準アプリとして「付箋」が用意されている。これはデスクトップに貼り付ける付箋紙のようなアプリで、ちょっとした用件などを手軽にメモしておけるので便利だ。

Windows 10の標準アプリ「付箋」では、ちょっとしたメモをデスクトップに貼り付けておくことができる。スタートメニューから「付箋」を選択して起動し、左上の「+」ボタンで付箋を追加できる

Windows10と同じMicrosoftアカウントでスマホ版Microsoft Officeにサインインすると、このようにスマホ側でも付箋の内容がそのまま表示される

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スマホでビジネス文書を扱うときはセキュリティに注意

このようにスマホ版Microsoft Officeがあれば、出先でもビジネス文書を開いてさまざまな作業を行うことができる。しかし、手軽な分、セキュリティ面での危険性もあるのでその点は注意してほしい。

まずスマホについては、多少煩雑になるが私用スマホと業務用スマホは分けた方がいいだろう。スマホにはさまざまなアプリをインストールすることが可能だが、中にはセキュリティ上の問題点があるアプリもある。また、うっかり操作を間違えて、業務上の文書をプライベートのSNSに貼り付けたり、メール送信したりする危険性などもあるので、業務用スマホは私用と別にしておくことをオススメしたい。

スマホならではの問題として、スマホの紛失・置き忘れにも注意したい。もちろんなくさないことが最も重要だが、もしものときのことを考えて、スマホのログインパスワードや指紋認証などは必ず設定しておいた方がいいだろう。業務用のスマホについては、いざというときのために遠隔制御で端末をロックしたり、初期化やデータ削除をしたりできるMDMサービスなどの利用も推奨したいところだ。

MDMサービスを利用すると、デバイスの紛失時にリモートでスマホのロック・データの消去(ワイプ)などの機能を利用できるので安心だ

MDMサービス たよれーる デバイスマネジメントサービス | 大塚商会

また電車などの公共交通機関での移動中や、喫茶店などで利用する場合は、周囲の人にスマホの画面を見られてしまう可能性もある。情報漏えいの心配があるファイルを編集・閲覧する場合は、なるべく人目の多い場所は避けたいところだ。

スマホの画面に貼り付ける「のぞき見防止フィルム」を利用するのも有効だ。スマホによってはのぞき見防止機能が付いた機種もあるので、自分のスマホにそのような機能があったら利用してみるといいだろう。このほかスマホの設定で画面の輝度を下げると他人から視認されづらくなるので、簡易的にはこちらも試してみてほしい。

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