2020年11月11日公開

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初めての総務【第5回】総務に効く資格

執筆:マネジメントリーダーWEB編集部

余暇時間の有効活用=資格取得で総務業務のスキルアップ!
コロナ禍によるテレワークの普及や外出自粛などで、自宅で過ごす時間が増える傾向にあります。余暇時間を有効に活用する方法の一つとして、「資格取得」を検討してみてはいかがでしょうか。

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1. 総務業務に必要な基本スキル

総務業務は、企業活動を円滑に行うために必要な全ての業務が対象となります。そのため業務内容は広範囲に及び、必要となるスキルも多岐にわたります。

基本的なスキルは、会社の定めた目標を達成するためにルールを策定し、運用・管理を行う「マネジメントスキル」と、経営層の意思を社員に分かりやすく伝え、社員の思いを経営層に届ける「コミュニケーションスキル」の二つがあります。

さらに担当業務に対応した専門スキルも必要です。例えば、経営企画や法務、福利厚生、情報システム、施設管理、経理などの総務系の業務では、スペシャリストとしての知識や技能を評価するための資格制度が設けられている場合があります。

一般的な企業の総務業務では、資格がなければ従事できない業務はありません。しかし、資格があることで客観的な評価を得ることができます。また、資格取得のために勉強したことが業務のスキルアップにつながるなど、多くのメリットをもたらすことでしょう。

総務業務に有効な資格の種類はさまざまです。難しい資格の例を挙げると、法務業務の場合は弁護士や司法書士、弁理士があります。経理や経営企画業務の場合は税理士や公認会計士などです。さらに福利厚生業務の場合は、社会保険労務士など資格を有するだけでも職業が成立するものから、一般常識+α程度で取得できる簡易な資格までいろいろあります。

また、実務とあまり関係のない資格はせっかく取得してもあまり評価されないこともありますので、受験前に資格の種類・内容・評価(取得後のメリット)をきちんと調べて受験しましょう。

総務系の業務

総務系の業務は、契約や社内規定の作成などで法律的な知識が必要になる場合が多いため、法務関連の資格を取得される方が多いようです。特に製造業の場合は特許申請や使用許諾契約等を行う機会が多々ありますので、弁理士資格などを取得すると有利になるかもしれません。

経営実務については、中小企業診断士の資格が自社の経営状況や将来性を検討するうえで有効です。また、総務といえば文系のイメージがありますが、ITが社内インフラの大きな割合を占め、業務効率向上に欠かせないツールとなっている現在では、総務業務を行ううえでもITの基本的な知識や技術を身に付けることが必要です。情報処理系の資格の中でもITパスポート試験や情報セキュリティマネジメント試験は、IT利用者が対象になりますので検討してみてはいかがでしょうか。

人事系の業務

人事系の業務は、社会保険料などの法定福利の手続きや労働基準監督署へ各種書類を届け出る際に、社会保険労務士の資格が必要な業務があります。
近年、需要が多いのはメンタルヘルス系のカウンセリング関係の資格です。産業医や専門医と連携して、罹患(りかん)の予防と円滑な復職のための環境整備を行います。また、少子高齢化社会の到来や働き方改革の取り組みにより、キャリアコンサルタント系の資格も注目されています。

経理系の業務

経理系の業務では、簿記検定の資格が必須かもしれません。また、ここ数年生活設計のアドバイスに役立つ資格として、ファイナンシャルプランナーの検定受験者数が増えている傾向にあります。

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2. 業務に関連した資格を取得するために必要なこと

資格の種類にもよりますが、資格取得に当たっては、受験にかかる費用(テキスト代や講習費を含む)と勉強時間などの労力がかかります。業務に必要な資格を取得しスキルアップを図る場合は、何のために取得するのかを明確にし、上司・同僚・家族など周囲の理解や支援を得ることも大切です。

  1. 資格の詳細と活用(取得メリット)
  2. 業務との関連(試験と実務経験の関連)
  3. 試験の詳細(受験資格・試験内容・試験日など)

資格取得を目標に据えたら、後は試験の合格に向けた勉強を開始するだけです。テレワークで自宅にいる時間が増えている方は、積極的に余暇時間を活用しましょう。自宅に居ながら受講できるオンライン講座も増えています。

業務に関連する資格を目指す方は、これまで培った知識や経験を体系的に整理するよい機会です。資格取得の有無にかかわらず、スキルアップを図るためには有効な経験になるはずです。
社員のスキルアップ=会社のスキルアップとなりますので、会社としても積極的に支援することをおすすめします。

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3. 資格は目標達成のための手段として活用

働き方改革で大きく変わるのは、終身雇用制度の在り方だといわれています。仕事の評価も過程(プロセス)重視から結果重視の傾向になると予想されます。

総務業務は広範囲にわたります。そのため、何でもこなせるゼネラリストとしての資質も必要ですが、個々の業務を細かく見ていくとそれぞれの業務で必要とされる、知識・技術・経験があります。資格は、それぞれの業務の遂行能力があることを客観的に証明するものとなります。そして自分自身の得意分野をアピールする材料としても活用できます。

ただし、学校の受験と同じで資格取得だけを目標としてしまうと、合格後に「燃え尽き症候群」のようになり、せっかく取得した資格も宝の持ち腐れになってしまうかもしれません。資格取得そのものを目的とせず、合格を足掛かりに、その後何をするか、何を目指すのか、ということをしっかりとイメージして取り組みましょう。

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