2021年 4月14日公開

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初めての管理職「基本編」

執筆:マネジメントリーダーWEB編集部

管理職デビューで必要になる経営・総務・人事・経理の知識を解説。
管理職になると自分の専門業務以外に組織を運営するための経営・総務・人事・経理の知識が必要になります。そして、最近は実務実態が管理からマネジメントへ移行しつつあります。

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1. 管理職の基本とは

部門の責任者となるのが管理職です。そのため、自分の業務分野+部署の運営が仕事となります。部署の運営は会社経営の一端を担うことになるため、責任者としてのリーダーシップのほかに経営的な知識や部署の運営に欠かせない総務・人事・経理の基本的な知識やスキルが必要となります。そして、評価基準も個人の貢献度から部署の貢献度となるため、部署の計画目標達成度が問われることとなります。

このように、管理職は一般社員とは大きく異なるさまざまなスキルが必要となります。しかし、通常の場合はそのスキルがある程度備わっている、もしくは学習能力があると認められた人が管理職として指名されますので、管理職になったからといって慌てたり、職責を果たせるだろうかなどと不安を抱えたりする必要はありません。自信を持って部署の運営に当たりましょう。

管理職に必要なスキル

管理職として新たに必要となる主なスキルは以下のとおりです。

部門長としての運営能力

企業の中の組織の責任者として、企業の経営方針を理解しそれに沿って部門の経営計画立案を行います。そして、目標達成を目指して部署の運営を遂行します。

運営に当たっては、企業の実務部門責任者としての業務と、部下の行動を管理するリーダーとして社員が最大限にパフォーマンスを発揮できる環境づくりを行います。

部下の採用・教育

定期採用や中途採用、人事異動などで新たに部署に所属する社員の指導・育成を行います。ここでの育成は、人事部門が行う教育と連動して、実践・実務形式のOJTが基本となります。

部門間の交渉・調整

担当の部署だけで完結する業務はほとんどありません。直接・間接的に社内のさまざまな部署と連携して業務を行います。そのため、他部署の責任者と調整や交渉を行うスキルが必要となります。

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2. 管理職に求められる資質

管理職に求められる資質は経営者と似ています。通常は管理職を経て役員、経営者となっていくのが一般的な昇進ステップです。つまり、経営者としての知識や経験を積む最初の段階が管理職となるのです。管理職は、組織を運営するための理解力や判断力を有することが基本となります。そのため、最先端の情報への感度を高め、専門業務以外の幅広い知識、高度なビジネス能力が必要になります。

情報感度は好奇心と比例しています。識者との交流や挫折も含めた体験、読書や遊びを通して刺激を受け好奇心が増すこともあります。情報の理解力は、観察力、分析力、判断力で構成されます。ここでポイントとなるのは表面的なことにとらわれず、できるだけ本質を見抜く努力をすることです。また、自分の分析結果が正しかったかを検証し、違っていた場合はその原因を探りましょう。

管理職の資質として重要なのは、実行力とコミュニケーション能力です。実行力はモチベーション(やる気)が原動力となります。一般社員と大きく違うのは、指示されて動くのではなく、自分自身で前を見据えて動き、指示を出す機会が増えることです。その際に成果を出すという自信と、どんな結果になるのだろうという興味が実行力につながります。

最後に、部下に行動を起こさせるのが、コミュニケーション能力となります。これは話を聞いて理解する力と、説得力が中心になります。話を聞く力は、話を遮って自説を説いたり、人の話を無視したりすることなく真摯(しんし)に話を聞く態度のことです。この態度が相手の信頼を得ることにつながります。説得力は、うまく話すことではなく、相手が理解してイメージしやすい言葉で伝えることです。

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3. 管理からマネジメントへ

これまでは、部署が掲げた目標を達成し、部下の育成を図ることが管理職の主な職務でしたが、働き方の多様化とともに、管理職の役割も変わってきています。特にテレワークの普及は、会社組織が一変するような大きな改革の要因となっています。

従来型の組織は、管理職が部門の頂点に立ち、その下に部下が職位順に並ぶ形式でした。その結果、タテ割りの組織となっていました。一方、最近増えてきたマネジメント型組織は、必要なスタッフを並列に配置し、場合によっては複数のプロジェクトを兼務するスタッフがいるなど、柔軟で多様な働き方を取り入れた組織となっています。

マネジメント型組織での管理職の役割

マネジメント型組織における管理職の役割は、プロジェクトマネージャーとしての役割になります。そのため、求められる能力(スキル)は以下のように変化します。

  • 社員の志向や能力に基づいた適正配置により、モチベーションをアップさせ、業務効率を高める
  • スタッフの柔軟な働き方を実現し、能力を発揮させる
  • さまざまなスタッフのアイデアを集約しプロジェクトに反映させる

マネジメント型組織は、テレワークをはじめとした多様な働き方に対応した組織となります。そして、マネジメントのポイントは業務の可視化です。目標や進捗(しんちょく)状況、達成度を数値化し検証することで、素早い判断と正確な予測が可能となります。

これからの社会を生き抜くために、管理職になったことを契機に、マネジメント型の管理手法にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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4. 大塚商会の経営支援サービス

現状整理と改善アドバイスを無料で提供

大塚商会の経営支援サービスは、経験豊富な中小企業診断士をはじめとする各種専門家や、ITストラテジスト、MBAホルダー、経営品質協議会認定セルフアセッサーなどが協力して、管理職の意識向上や次期経営幹部の育成、チーム力の向上など、さまざまな経営上の課題や悩みに対して現状整理と改善アドバイスを無料で提供するサービスです。

  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。

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