リチウムイオン電池
正極と負極の間をリチウムイオンが移動することで充電と放電ができる電池。繰り返し使用できるので、「リチウムイオン二次電池」とも呼ばれる。正極にはコバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、負極にはグラファイトや黒鉛などの炭素材料、電解液に有機溶材が使用されている。性能と安全性を両立させるため、各メーカーが研究を進めている。
リチウムイオン電池は、軽量、小型、高電圧という特性を持ち、スマートフォンやノートパソコンなどのデジタル機器のバッテリーに使われている。また、自動車業界でも、電気自動車などの電池として採用されている。その反面、充電や放電をしすぎると故障したり、発煙・発火などの事故につながったりするリスクも指摘されている。最近では、廃棄されたリチウム電池が原因とみられる火災が、ごみ処理施設で起こっている。
2019年10月、旭化成の吉野 彰名誉フェローが、リチウムイオン電池を開発したとして、米テキサス大学のジョン・グッドイナフ教授、米ニューヨーク州立大学のスタンリー・ウィッティンガム特別教授と共にノーベル化学賞を受賞した。