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「税番号」としてのマイナンバー
マイナンバー制度は、正式には「社会保障・税番号制度」といいます。社会保障と税に関するさまざまな手続きが公正に、かつ効率よく進めていけるよう導入されました。
個人番号・法人番号の記載が義務化
マイナンバー制度は「税番号制度」でもあるので、番号法整備法や税法の政省令の改正によって、国税当局に提出する申告書や法定調書等の税務関係書類に、個人番号・法人番号を記載することが義務付けられています。
- (注)マイナンバーの基本については本連載「マイナンバー対応講座(入門編)の巻」を参照ください。
「マイナンバー対応講座(入門編)の巻」
税務関係書類は新様式に
マイナンバー(個人番号)や法人番号を記載するためさまざまな税務関係手続きの書類は新様式となり、各届出書にマイナンバーの記載欄が追加されています。
新様式の例(1)「法人税申告書」
新様式の例(2)「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」
税務関係書類への記載時期
個人番号・法人番号を、法定調書等の税務関係書類に記載するべき時期は、税や書類の種類に応じて、以下のように定められています。
【1. 所得税や贈与税については】
平成28年分の申告書(平成29年1月以降に提出するもの<平成28年分の準確定申告書にあっては平成28年中に提出するもの>)から
【2. 法人税については】
平成28年1月1日以降に開始する事業年度に係る申告書から
【3. 消費税については】
平成28年1月1日以降に開始する課税期間に係る申告書から
【4. 相続税については】
平成28年1月1日以降の相続または遺贈に係る申告書から
【5. 酒税・間接諸税については】
平成28年1月分の申告書から
【6. 法定調書については】
平成28年1月以降の金銭等の支払い等に係るものから
【7. 申請・届出書等は】
平成28年1月以降に提出するものから(税務署等のほか、給与支払者や金融機関等に提出する場合も含みます)
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マイナンバーの収集
マイナンバーの収集義務
所得税法の定めにより、法人は対象となる個人からマイナンバーを収集(取得)しなければなりません。税務署に提出する源泉徴収票・支払調書、そして従業員の住まいがある市町村に提出する給与支払報告書に記載するためです。
法人がマイナンバーを収集すべき個人は次のとおりです。
- 従業員、役員
- デザイナー報酬等(注1)の支払先である個人
- 不動産の使用料等(注2)の支払先である個人
- (注1)職業はデザイナー、カメラマン、ライターなど限定列挙されています。
参照:国税庁Webサイト「平成28年版 源泉徴収のあらましー第5報酬・料金等の源泉徴収事務」
a. 従業員からの収集
所得税法では、主たる給与である従業員(注)から「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の回収を義務付けています。この「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に従業員と扶養控除等の対象者のマイナンバーを記載してもらいます。
- (注)2カ所以上から給与をもらっている従業員の場合は、「主たる給与」の支給先である法人に個人番号の収集が義務付けられます。
法人は、その年の最初に給与を支払う前日(中途採用した従業員の場合は、就職後最初の給与の支払を受ける日の前日)までに「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を従業員から回収しなければいけません。
参照: 国税庁サイト「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」
b.報酬等の支払先(個人)からの収集
所得税法では、平成28年1月1日以後に支払いの確定する報酬等についての支払調書で「給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」に記載されている「提出範囲」にある個人からマイナンバーを収集するよう定めています。
つまり、その年の支払金額の合計が5万円以下である等の場合の収集は不要となります。
参照:国税庁サイト「給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」(p15)
c.不動産の使用料等の支払先(個人)からの収集
所得税法では、平成28年1月1日以後に支払いの確定する不動産の使用料等についての支払調書で「給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」に記載されている「提出範囲」にある個人からマイナンバーを収集するよう定めています。
つまり、その年の支払金額の合計が15万円以下である等の場合の収集は不要となります。
参照:国税庁サイト「給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」(p17)
以下の支払調書についてもマイナンバーの収集の必要な場合があります。最寄りの税務署および税理士等の専門家に確認してください。
- 退職所得の源泉徴収票・特別徴収票
- 不動産等の譲り受けの対価の支払調書
- 不動産等の売買または貸し付けのあっせん手数料の支払調書
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源泉徴収票の様式変更
給与所得の源泉徴収票については、平成28年1月1日以後に支払うべき給与等についてのものからレイアウトやサイズが変更された新様式となっています。
記載すべき項目
- 給与等の支払いを受ける者の個人番号
- 控除対象配偶者の氏名および個人番号
- 扶養親族の氏名および個人番号
- 給与等の支払いをする者の個人番号または法人番号
本人への源泉徴収票にナンバーは記載不要
ただし、本人に交付する給与所得の源泉徴収票については、個人番号または法人番号の記載は不要です。
サイズ変更
上記の変更に合わせ、給与所得の源泉徴収票の様式が現行のA6サイズからA5サイズに変更になっています。
参照:国税庁サイト「平成28年分給与所得の源泉徴収票の記載のしかた」
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法人のマイナンバー(法人番号)について
法人のマイナンバー(法人番号)は、株式会社などの法人等に指定される13桁の番号です。行政を効率化し、国民の利便性を高めるために発行されるもので、誰でも自由に利用できます。
ここでいう法人とは以下の機関・団体です。
- 国の機関
- 地方公共団体
- 会社法等により設立の登記をした法人(設立登記法人)
- 設立登記法人以外の法人(設立登記のない法人)または人格のない社団等であって、申告納税義務等を有することとなる団体
法人のマイナンバーは個人のマイナンバーとは違い、原則として公表されています。
公表される情報は下記のとおり(法人番号の指定を受けた団体の基本3情報)です。
- 商号または名称
- 本店または主たる事務所の所在地および
- 法人番号
法人のマイナンバーは下記のサイトで検索できます。
参照:国税庁 法人番号公表サイト
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税務関連マイナンバーQ&A
- 従業員や親族からマイナンバーの提供を受ける場合も本人確認が必要ですか?
- 国税分野の手続きでは、事業主がその従業員と対面で確認して、本人であることが明らかな場合は、身元確認書類の提示は不要としています。
また、申告書を提出する者(従業員)が扶養控除対象配偶者や扶養控除対象親族から個人番号の提供を受ける場合や、法定調書提出義務者(事業者)が継続的に取引を行っている人から個人番号の提供を受ける場合も、対面で確認することにより本人であることが明らかな場合には身元確認書類の掲示を不要としています。
ただし、この場合、従業員の入社時や取引開始時などに番号法などで定めるものと同程度の身元確認を行っている必要があります。
なお、どの場合も番号の確認は必要となります。
- 従業員や講演料等の支払先等から個人番号の提供を受けられない場合は?
- 個人番号の提供を受けられない場合でも、安易に個人番号を記載しないで書類を提出することは避けてください。個人番号の記載は、法律で定められた義務であることを相手に伝え、提供を求めてください。
それでもなお、提供を受けられない場合は、提供を求めた経過等を記録、保存するなどし、単なる義務違反でないことを明確にしておきましょう。この記録がなければ、個人番号の提供を受けていないのか、あるいは提供を受けたのに紛失したのかが判別できません。特定個人情報保護の観点からも、経過等の記録を残しておきましょう。
なお、法定調書などの記載対象となっている人全てが個人番号を持っているとは限りません(中には個人番号を拒絶している人もいます)。この場合でも、個人番号の記載がないことをもって、税務署が書類を受理しないということはありません。
- 従業員等の個人番号が記載された給与所得の扶養控除等申告書などの漏えいがあった場合、担当者や企業は罰せられますか?
- 個人番号を取り扱う者が正当な理由なく、故意に個人番号を含む情報を漏えいさせた場合には、刑事罰が科されることとなります。ただし、この罰則の適用は故意犯を想定したものです。従って事業者が従業員の指導等の一定の安全管理措置を講じていれば、意図せずに個人番号が漏えいしたとしても、直ちに罰則が適用されることはないとされています。
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