2013年 1月 1日公開

仕事効率を上げるパソコン手帖

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マウスの使いすぎによる手の痛みを軽減する

テキスト: 芝田隆広

パソコンを使ううえで、マウスは必需品と言っていいだろう。しかしマウスを長時間使い続けていると、手首や指の関節が痛くなってくることがある。痛みが慢性化してくると日常生活にも差し障りが出てくる。そこで今回は、マウスの使いすぎによる手の痛みを軽減する方法を紹介する。

肩こりを軽減する

マウスを長時間使っていて、肩が凝るという人は、姿勢あるいはマウスを置く位置が悪い場合が多い。マウスを使う際に、マウスが身体から遠い位置にあると、腕を不自然に伸ばすことになり、姿勢が前屈みになったり、左右に傾いたりしやすい。例えばマウスが机の奥側に配置されていたり、身体の中心から左右の遠いポジションにあったりすると、無理な姿勢になってしまう。マウスを使うときはなるべく背筋を伸ばし、身体に近い位置にマウスがくるように位置を調整しよう。

また机と椅子の位置関係も重要だ。ひじ掛けのある椅子を使用しているならば、腕を90度曲げてひじ掛けと机が水平になるような位置にしてマウスを使えば、肩への負担を抑えることができる。ひじ掛けがない場合でも、肩に負担がかからない、最適な姿勢になるよう椅子の座面の高さを調整しよう。

マウスは身体から遠くない位置に配置する。無理な姿勢でマウスを長時間操作すると肩こりの原因となる。

マウスは身体から遠くない位置に配置する。無理な姿勢でマウスを長時間操作すると肩こりの原因となる。

ひじを直角に曲げ、手首がまっすぐになるような高さに椅子の高さを調整する。無理のない姿勢でマウスを操作できるようにしよう。

ひじを直角に曲げ、手首がまっすぐになるような高さに椅子の高さを調整する。無理のない姿勢でマウスを操作できるようにしよう。

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手首の痛みを解消する

マウスをずっと使用していて、最も痛くなるのが手首だ。マウスを机に置いて使っていると、手首が机に接触する。机は固いため、この状態が長時間続くと手首が圧迫されて、次第に痛みが生じてくる。

このような場合は手首の当たる位置に、タオルなどをしいて、手首と接触する場所を柔らかくしておくことで、痛みを軽減できる。手首保護用のジェルマットが装着されたマウスパッドも販売されているので、こうした製品を利用するのも手だ。

手首への負担を軽減する「エルゴノミクスマウス」と呼ばれる製品を利用するのもいいだろう。特に手首を縦にした状態で使う製品は、利用時に手首が机に接触しない。人間の身体の構造上、手首は本来、机と平行にするよりも、垂直にしたほうが自然な姿勢となる。一般的なマウスは「机と平行な状態」で利用するが、これは常時「手首を90度ひねっている状態」なので手首に負担がかかる。

「手首を縦にする」と言われてもなかなかイメージが湧かないかもしれないが、そういう人は、通常のマウスを手に持った状態で、手首を机と垂直にしてみよう。それだけで手首の負担が軽くなるのが実感できるはずだ。

手首を保護するためには、手首の当たる部分にタオルをしいたり、ジェルマットが装備されたマウスパッドを使用したりするのが効果的。写真はエレコム「MP-101BU」。

手首を保護するためには、手首の当たる部分にタオルをしいたり、ジェルマットが装備されたマウスパッドを使用したりするのが効果的。写真はエレコム「MP-101BU」。

手首は机に対して立てて使うほうが、人体本来の構造に即している。手首が立っていると手首が机面につかないため、圧迫感も少ない。写真のマウスはサンワサプライ「400-MA032R」。

手首は机に対して立てて使うほうが、人体本来の構造に即している。手首が立っていると手首が机面につかないため、圧迫感も少ない。写真のマウスはサンワサプライ「400-MA032R」。

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指の痛みを軽減する

長い時間マウスを使い続けていると、人差し指の第二関節が痛くなってくることがある。これはマウスのボタンをクリックしすぎているためだ。人差し指の痛みを軽減するには、ボタンの感触が固くないマウスを使うのが効果的だ。

また、職場などでマウスを買い換えるのは難しいという人は、人差し指でマウスをクリックする回数を減らす方法を考えていくといいだろう。マウスの操作の中で、特に指に負担がかかるのがダブルクリック操作だ。フォルダを開いたり、デスクトップのショートカットを開いたりするときにはダブルクリックを行うのが標準だが、これをシングルクリックにするとクリック数を少なく抑えられる。ダブルクリックでなく、右クリックメニューを活用するという手もある。

また、マウスで各種操作を行うのではなく、キーボードを利用することで負担を軽減するという方法もある。Windows 7のマウスキー機能を使うと、キーボードでマウスカーソルを動かすことができる。マウスの操作は肩も動かすし、細かい操作が多いが、キーボードの操作は指を垂直に動かすだけなので、どちらかと言えばマウスよりも負担は少ない。

ノートパソコンにマウスをつなげて使っている人は、ノートパソコン側のポインティングデバイスとマウスを併用するという手もある。例えばカーソルを動かすのだけは右手を使ってマウスで行い、ボタンは左手を使ってノートパソコンのボタンを押せば、人差し指でマウスボタンをクリックしない分、負担は少なくなる。

フォルダを開く操作などを、シングルクリックで行うようにするときは、Windows 7ならフォルダのウィンドウを開き「整理」→「フォルダーと検索のオプション」を選択。「全般」タブで「ポイントして選択し、シングルクリックで開く」にチェックを入れる。

フォルダを開く操作などを、シングルクリックで行うようにするときは、Windows 7ならフォルダのウィンドウを開き「整理」→「フォルダーと検索のオプション」を選択。「全般」タブで「ポイントして選択し、シングルクリックで開く」にチェックを入れる。

マウスキー機能を使うと、マウス操作をキーボードのテンキーで行えるようになる。Windows 7ならコントロールパネルを開き、「コンピュータの簡単操作」→「マウスの動作の変更」で、「マウスキー機能を有効にする」にチェックを入れればいい。「マウスキー機能をセットアップします」をクリックすると、より詳細な設定が行える。

マウスキー機能を使うと、マウス操作をキーボードのテンキーで行えるようになる。Windows 7ならコントロールパネルを開き、「コンピュータの簡単操作」→「マウスの動作の変更」で、「マウスキー機能を有効にする」にチェックを入れればいい。「マウスキー機能をセットアップします」をクリックすると、より詳細な設定が行える。

「マウスキー機能をセットアップします」をクリックすると、マウスキー機能をオンにしてテンキーを押したときのカーソルの移動速度を設定できる。なお通常はNumLockキーをオンにしたときに、マウスキー機能が有効になるよう設定されている。

「マウスキー機能をセットアップします」をクリックすると、マウスキー機能をオンにしてテンキーを押したときのカーソルの移動速度を設定できる。なお通常はNumLockキーをオンにしたときに、マウスキー機能が有効になるよう設定されている。

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