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今さら聞けない。そもそもPDFって何?
アメリカのアドビ システムズ社(以下、米アドビ社)が開発した「PDF」は、Portable Document Formatの略。文書を紙に印刷したのと同じように、誰でも変わらぬレイアウトで閲覧できるようにしたファイル形式だ。例えば、Microsoft Wordで作成したファイルは、WordをインストールしたPCでないと見られないが、PDFはPCのOSや文書を作成したソフトウェアに関わらず、無料のビューアソフトを使って、誰でも同じ状態で見ることができる。
最近では多くのスキャナ製品が、スキャンした画像データをPDF形式で保存できる機能を備えている。また、ビューアソフトはPCだけでなく、スマートフォンやタブレット向けにも提供されていて、どのような環境でもPDFファイルを閲覧できる環境が整ってきた。今やPDFはJPEGなどの画像ファイルと同じくらい、ポピュラーなファイル形式の一つと言えるだろう。
スキャナなどで取り込んだデータを、画像ではなくPDF形式で保存すれば、複数のページを一つのファイルにまとめられるだけでなく、OCRソフトなどを使って文字情報を埋め込むことができ、あとからテキストを検索しやすくなる。オフィスのペーパーレス化にあたって、PDFが欠かせない存在となっているのは、このような理由があるからだ。
さらに、PDFには印刷された文書とは異なり、リンクやフォーム、ビデオ、オーディオなど、インタラクティブな仕掛けも埋め込むことが可能。また、パスワード保護などのセキュリティ機能も備えていて、安全にデータをやり取りすることができる。
<PDFのメリット>
- マルチプラットフォーム=PC、タブレット、スマートフォンなど端末、OSを問わず閲覧できる。
- レイアウトそのまま=相手が作成元のソフトウェアを持っていなくても、レイアウト等を崩さず閲覧できる。
- テキスト検索可能=画像ではなくテキストデータとして文字を保存できるため、文書内の文字検索が可能。
- インタラクティブ=テキストだけでなく、画像、音声、動画、リンクなども埋め込むことができる。
- セキュア=パスワード設定が可能なほか、見せたくない情報を削除してファイルを送信することもできる。
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Adobe Readerでできること、できないこと
「Adobe Reader」(以下、Reader)は、PDF形式のファイルを閲覧するために無料で配布されているビューアソフトで、2013年9月末時点の最新バージョンは「XI」。米アドビ社のサイトから、誰でも手軽にダウンロードできる。
Readerは、PDFを見るだけのソフトなので、基本的には文書に手を加えたり、編集したりすることができない。それができるのは、後ほど詳しく紹介する米アドビ社の有料ソフト「Adobe Acrobat」だ。
Readerでは編集こそできないものの、単に文書を表示するだけでなく、見やすいように見開き表示に切り替えたり、複数のファイルからまとめてテキストを検索したり、サムネイルから目的のページを素早く探し出すといったことができる。また、PDFの作成者が特に制限を設けていない場合には、テキストや画像をコピーして、ほかのアプリケーションに貼り付けることも可能。テキストのコピーができない場合も、文書の一部分を画像としてキャプチャできる。さらに、簡単な注釈を付け加えられる機能も備わっている。
| Adobe Reader | Adobe Acrobat |
---|
PDFの閲覧 | ○ | ○ |
テキスト検索 | ○ | ○ |
PDFの作成 | × | ○ |
PDFの編集 | × | ○ |
注釈の追加 | ○ | ○ |
パスワード設定 | × | ○ |
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知っておくと便利なAdobe Readerの機能
- * 以下、画像をクリックすると大きなサイズでご覧いただけます
文書を見開き表示にする
PCのワイドディスプレイでページ数の多いPDFファイルを閲覧する場合は、見開き単位で表示したほうが見やすい。「表示」メニュー→「ページ表示」→「見開きページでスクロール」で、ページを見開き単位で表示し、そのままスクロールして閲覧できる。
複数の文書をまとめて検索する
Readerでは今開いているファイルだけでなく、特定のフォルダにあるファイルをまとめて検索することができる。「編集」メニュー→「高度な検索」で表示されるウインドーで検索する場所にフォルダを指定して検索する。
テキストや画像をコピーする
作成者によって制限がされていないファイルでは、画像やテキストを選択してコピーし、他のソフトに貼り付けることができる。右クリックで表示されるメニューから「選択ツール」を選んで、当該箇所を選択して右クリック。表示されるメニューから「コピー」を選ぶ。
スナップショットを撮る
「編集」メニュー→「スナップショット」を選択すると、任意の範囲を選択してコピーすることが可能。コピーした内容は画像として他のソフトに貼り付けることができる。
注釈を加える
一部のテキストをハイライトで強調したり、吹き出しを設けて簡単な注釈を追加したりできる。作成者によって制限がされていなければ、さらにテキストを直接書き込んだり、画像を添付したりすることも可能だ。
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Adobe AcrobatでPDFファイルを作成しよう
PDFファイルを作成するには、作成機能を持ったソフトウェアを使用する、オンラインの変換サービスを利用する、などいくつかの方法があるが、最もポピュラーなのは米アドビ社が販売するソフト「Adobe Acrobat」(以下、Acrobat)を使用する方法だ。Acrobatをインストールすると、Windows PCではプリント機能を持つあらゆるアプリケーションから、印刷するのと同じ手順で、ファイルをPDFに書き出せるようになる。
プリンターをPDFに設定するだけで、あらゆる文書をPDFファイルに変換できる。テキストなどのデータはそのまま文字情報として保存されるので、あとから検索も可能だ。
また、AcrobatではPDFファイル内のテキストを直接編集したり、ページを切り出したり、画像を保存するといったことも可能。ほかにもたくさんの便利な機能があるが、中でも特に知っておきたいものを以下に厳選して紹介する。
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知っておくと便利なAdobe Acrobatの機能
PDFファイルからページを切り出す
複数のページがあるPDFファイルから、特定のページだけを切り出すことができる。サムネイルから切り出したいページを選んで右クリック。表示されるメニューから「ページの抽出」を選択。または、サムネイルを直接デスクトップにドラッグ&ドロップするだけでもよい。
複数のファイルを一つのPDFにまとめる
画像など複数のファイルを一つのPDFファイルにまとめることができる。「ファイルメニュー」の「作成」から「ファイルを単一のPDFに統合」を選択。表示されるダイアログボックスにPDF化したいファイルをすべて、ドラッグ&ドロップで追加する。
PDFファイルを軽量化する
文書作成時に使用している画像データなどの解像度を落としておくなどすれば、PDFファイルに変換した際に、ファイルを軽量化することができる。さらに、「ファイルメニュー」の「名前を付けて保存」から「サイズが縮小されたPDF」を選び、できるだけ新しいReaderのみで閲覧するよう互換性の設定をすれば、その分、ファイルサイズは小さくなる。
ほかのファイル形式に変換する
PDFファイルは書式設定やレイアウトをより維持したまま、Word 文書に書き出せるほか、Excelのシートや画像データとしても書き出すことが可能。「ファイルメニュー」の「名前を付けて保存」からファイル形式を選択する。
PDFに動画や音声を埋め込む
PDFファイルにパスワードを設定し、第三者に見られないようにすることもできる。画面右上の「ツール」→「保護」→「暗号化」→「パスワードによる暗号化」を選択。「パスワードによるセキュリティ ? 設定」で「文書を開くときにパスワードが必要」をチェックする。
パスワードを設定する
Acrobatの最上位版「Adobe Acrobat Pro」では、PDFに動画や音声といったマルチメディアデータを埋め込むことができる。画面右上の「ツール」→「コンテンツ」→「インタラクティブオブジェクトの編集」→「マルチメディア」から「ビデオ」を選択。ファイルまたはURLを指定して貼り付ける。
番外編:Webページを簡単にPDF化する
AcrobatがインストールされたPCでは、Internet ExplorerやFiirefoxから、WebサイトをPDF化することができる。これも覚えておくと便利な機能の一つだ。
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PDFからウイルスに感染しないためにやるべきこと
誰もが閲覧できる大変便利なPDFだが、一方でPDFを悪用したウイルスのトラブルもあとを絶たない。PDFを装ったウイルスに感染しないために、ぜひ実施しておきたいのが、常に最新の「Adobe Reader」にアップデートしておくことだ。PCにプリインストールされていたReaderをそのまま使い続けているという人がいたら、今すぐ最新版のダウンロードをおすすめする。バージョンアップは機能のアップグレードだけでなく、脆弱性を修正するものでもあるからだ。
また、ウイルスはReaderの機能の一つである「Acrobat JavaScript」を悪用して、仕込まれるケースが多い。設定で「Acrobat JavaScript」をオフにしておくのも、対策の一つだ。
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