2014年 2月 1日公開

【連載終了】仕事効率を上げるパソコン手帖

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複数メールアカウントを賢く使いこなす

テキスト: 芝田隆広

最近では一人のユーザが、複数のメールアカウントを使用することが多くなった。自宅で契約しているプロバイダのメール、業務用アカウント、携帯メールなどなど。メールアドレスが増えると、次第にその管理が面倒になってくる。今回は複数メールアカウントを賢く使いこなすためのテクニックを紹介する。

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複数メールを賢く使いこなしてトラブルを防止

プライベートのアカウントに急ぎのメールが届いていたのに、出先でそのメールを読むことができず、返事をすぐに送ることができなかった。あるいは、仕事メールの返信を自宅から行ったが、会社のパソコンに返信履歴が残っておらず、トラブルの元になった。そんな経験をしたことはないだろうか。

現代社会において、メールはすっかり必要不可欠なコミュニケーション手段となった。仕事用、プライベート用、ネットサービス用など、複数のメールアカウントを使い分けているという人は多いだろう。しかし、複数のメールアカウントを使っていると、何かと面倒な点も多い。

そこで今回は、複数のメールアカウントを賢く使いこなすためのテクニックを紹介していく。

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メールソフトで複数アカウントを使い分ける

複数のメールアカウントを持っている人の場合、「利用する場所や機器ごとに、違うメールアカウントを使用する」というパターンが多いだろう。例えば「会社のデスクトップパソコンでは会社のアカウント」「自宅ではインターネットプロバイダのアカウント」といった具合である。要するに複数の機器で、複数のメールアカウントを利用しており、それらを使いこなすには、各機器間ですべてのアカウントについて、メールの読み書きができるようにしておかなければならない。

最近のメールソフトは、複数アカウントの閲覧に対応しているものがほとんどなので、各アカウントについてプロバイダなどの設定方法に従って、それぞれ設定を行っておこう。ここで重要なのは、「サーバからメールを消さないこと」、そして「送信履歴をサーバに残しておくようにする」ことだ。

まず、メールを「読む」ほうだが、これはアカウントの設定で「メールをサーバに残す」設定にしておく。これを忘れて「メールをサーバから削除する」設定にしておくと、「自宅でメールを読んでサーバ上のメールを消してしまったので、出先のパソコンから参照できなかった」という事態になってしまう。ただし、ずっとメールをサーバに残しておくと、メールボックスがいっぱいになってしまう可能性があるので、「1週間だけ残しておく」などといった設定にしておくといいだろう。

メールを「送信する」ほうだが、この場合は送信メールを自分のアドレスにも同報送信するように設定しておくとよい。「BCC」という項目に自分のメールアドレスを入れておけばOKだ。こうしておけば、出先のマシンなどでメールを送信したときも、送信メールの控えが自分のメールボックスの中に残される。

サーバにメールを残す設定

メールを読むときは、サーバにメールを残す設定にしておく。画面は「Windows Liveメール」の設定。「サーバーにメッセージのコピーを置く」にチェックを入れておく。「サーバーから削除する」を「7日後」に設定すると、1週間はメールを読んでも消されない。

BCCの欄に自分のメールアドレスを入れる

送信するときは「BCC」の欄に自分のメールアドレスを入れておく。こうすれば送信したメールが自分のメールボックスにも同報されるので、送信履歴を残しておくことができる。

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メールの仕組みを理解しよう POP3とIMAP

実は現在インターネットで使われている「メール」には、主に二つの方式が存在する。一つが「POP3」(ポップ・スリー)、もう一つが「IMAP」(アイマップ)という方式だ。

インターネットのメールは、サーバ上に用意されたユーザごとの「メールボックス」と呼ばれるディスク領域にメールの情報を保存する。そして各ユーザがそのメールボックスにアクセスして、メールを読み込む。これはPOP3・IMAPの双方に共通している。POP3とIMAPの大きな違いは、メールの管理方法だ。

POP3は、インターネットのプロバイダでは標準的に使われている方式だ。POP3では、すべてのメールを特に分類することなく、一つのメールボックスの中に入れておく。ユーザはメールソフトを使ってそのメールを自分のパソコンなどにダウンロードし、メールソフトの機能を使って表示したり整理したりする。

これに対し、IMAPはサーバのメールボックスがより高機能になっており、メールを読んだり、検索したり、フォルダを作って分類したりするといった機能が用意されている。これによって専用のメールソフトを利用しなくても、Webブラウザの画面からメールを読んだり、フォルダを作って整理したりといったことができるようになっているのだ。

メールの仕組み

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複数メールアカウントを使うならIMAPがオススメ

複数のメールアカウントを使い分けるのであれば、IMAPメールを使うのがオススメだ。

POP3のメールサーバは、メールボックスの容量が小さい場合が多い。そのため「メールを自分のパソコンにダウンロードしたら、サーバ内のメールは削除する」という使い方が普通だった。しかしサーバから削除すると、ダウンロードしたパソコンではそのメールを読めるが、他のパソコンからは読めなくなってしまう。

これに対し、IMAP対応のメールサーバはより高機能で、ディスク容量も大きい。そしてメールは、サーバのメールボックスの中に残したままで利用するのが基本的な使い方だ。IMAPメールは、「Windows Liveメール」などのメールソフトを使って利用できるだけでなく、Webブラウザでも読んだり返信したりすることが可能だ。

IMAPの場合、メール自体はサーバ側に残っているので、どのマシンからでもサーバにアクセスしてメールを読み書きできる。出先のパソコンなどにメールソフトが入っていなくても、Internet ExplorerなどのWebブラウザを起動し、ユーザ名とパスワードを入力すれば利用できるわけだ。

IMAPであれば、「喫茶店から携帯用のノートパソコンを使って自宅のメールアカウントにアクセスしメールを読む」といったこともできる。また送信したメールの履歴もサーバ側に残るので、利用場所やマシンを問わない。

IMAPメールは、例えばGmailなどのフリーメールが対応している。またプロバイダのメールはPOP3が主流だが、最近ではIMAPに対応したプロバイダも増えてきた。自分の利用しているプロバイダでIMAPが利用できるかどうか確認してみるといいだろう。

IMAP機能を提供しているプロバイダ

プロバイダのメールはPOP3が主流だが、IMAP機能を提供しているプロバイダも増えつつある。

Mail@nifty IMAP機能

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IMAPに対応していないときはGmailを利用しよう

自分の使っているプロバイダがIMAPメールに対応していないなら、Gmailのアカウントを作っておいて、そこにプロバイダのPOP3メールの中身をコピー(インポート)しておくという手がある。

GmailはIMAP対応なので、Webブラウザなどからメールを読むことができる。例えば外出先でどうしてもメールを見たくなったら、ちょっとパソコンを貸してもらい、Internet ExplorerなどのWebブラウザを使ってメールを見るなどといった手段が使える。

Gmailでは複数のメールアドレスのメールをインポートすることが可能なので、すべてのメールをGmailのアカウントにまとめておくこともできる。

Gmailアカウントを作成するために「設定」を選択する

Gmail(http://www.gmail.com/)でアカウントを作成。「設定」を選択する。

Gmail

「自分のPOP3メールアカウントを追加」を選ぶ

「設定」画面で「アカウント」を選択したあと、「自分のPOP3メールアカウントを追加」を選ぶ。

メールアカウントを入力し「次のステップ」を選択する

メールアカウントの入力後に「次のステップ」を選択し、あとはメールサーバなどの設定を行っていく。これでGmailを使って、プロバイダなどのメールを読めるようになる。IMAPに対応しているので便利だ。

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複数のメールアカウントを手軽に取得したい

ネットショッピングやクラウドなど、最近では便利なWebサービスが増えてきた。このようなWebサービスでは、登録用にメールアカウントを必要とする場合が多い。しかし、「ちょっとWebサービスを試してみたい」という場合に、会社や自宅でメインとして使っているアドレスで登録してしまうのは、セキュリティの面からいって不安があるという人も多いのではないだろうか。

そんなときは、Webサービスを利用するために、無料メールアカウントを取得するとよい。ただ、最近の無料メールは、アカウント作成時に携帯電話番号での認証を求められることが増えてきており、気軽に複数のアカウントを作りづらくなっている。

そこでオススメしたいのが「Yahoo!メール」の「セーフティーアドレス」だ。Yahoo!のアカウントが一つあれば、無料で最大10個まで、有料で30個までのメールアドレスを作ることができる。

※以下、画像をクリックすると大きなサイズでご覧いただけます

Yahoo!メールの「メールオプション」で「セーフティーアドレス」を選択する

Yahoo!JAPANのIDを作成し、Yahoo!メールの「メールオプション」で「セーフティーアドレス」を選択する。「今すぐ作成する」で新しいメールアドレスを作成できる。

Yahoo!メール

「ベースネーム」を設定し、「キーワード」を入力する

「ベースネーム」を設定し、「キーワード」を入力する。例えばベースネームが「pochitestmail」で、キーワードが「shopping」なら、「pochitestmail_shopping@yahoo.co.jp」というアドレスが利用できる。このようなアドレスを無料なら10個まで作れる。

利用するメールアカウントが増えてくると、最初は混乱してしまいがちだが、正しく設定をしておけば、トラブルを最小限に抑えることができるだけでなく、より円滑なコミュニケーションが可能となる。ぜひ参考にしてもらいたい。

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