2014年 8月 1日公開

仕事効率を上げるパソコン手帖

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Webブラウザー乗り換えテクニック

テキスト: 芝田隆広

Webブラウザーは、インターネットを利用するうえでの必須ツールだ。それだけに、その使い勝手はパソコンの使用感そのものを大きく左右する。そこで今回は、自分に最適なWebブラウザーを見つけるための乗り換えテクニックを紹介する。

Webブラウザーは自分の好みに合ったものを利用しよう

インターネットは情報の宝庫であり、ネット上の情報を引きだすための必須ツールが「Webブラウザー」と呼ばれるツールだ。Windowsには「Internet Explorer(以下IE)」が標準搭載されているので、特に疑問もなくIEを利用している人も多いだろう。しかし、IE以外にも優秀なWebブラウザーは存在する。

IE以外のWebブラウザーの代表的な存在としては、Google Inc.の「Google Chrome(以下Chrome)」、Mozilla Foundationの「Firefox」がある。どちらもIEとはひと味違う操作感、特徴を持ったWebブラウザーだ。

ChromeやFirefoxは、Webページを表示する際に、IEとは別のプログラム(表示エンジンなどと呼ばれる)を使っている。Webページによっては、IEを使うよりも、ChromeやFirefoxを使ったほうが高速に表示できる場合がしばしばある。

そこで今回は、IEからFirefox/Chromeの乗り換え、およびその逆のFirefox/ChromeからIEの乗り換えテクニックを紹介する。

Chromeのホーム画面

「Chrome」は、Googleが提供するWebブラウザー。シンプルなインターフェースで使いやすい。

Firefoxのホーム画面

Mozilla Foundationの「Firefox」は、豊富な拡張機能が特長。カスタマイズして自分好みのWebブラウザー環境を構築したい人にオススメだ。

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Webブラウザー乗り換えのチェックポイント

一口に「Webブラウザーを乗り換える」といっても、ただ新しいWebブラウザーをインストールするというだけでは不十分だ。今まで使っていたWebブラウザーに登録していたお気に入り(ブックマーク)や各種サイトのパスワードが、乗り換え先のWebブラウザーでも利用できないと不便に感じるはずだ。

また、インターネットのWebページは、最もユーザーの多いIEを基準に作られているものが多い。中にはIEでしか動作チェックが行われていないWebページもあり、まれにIE以外のWebブラウザーだと正常に表示されない場合もある。FirefoxやChromeの場合は、こういったWebページに対応できるアドオン(拡張機能)も用意されているので、その使い方も合わせて紹介する。

Chromeでお気に入り(ブックマーク)を表示している画面

Webブラウザーを乗り換える際、いちいちお気に入り(ブックマーク)を登録し直すのは面倒。一括でブックマークを移行する方法を利用しよう。

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GoogleのWebサービスを頻繁に使う人にオススメ「Chrome」

Chromeは、検索エンジンでおなじみのGoogleが提供するWebブラウザーだ。シンプルなウィンドウデザインで、高速な画面表示を特徴としている。またFirefoxほどではないが、さまざまな拡張機能も用意されている。

シンプルなインターフェースなので、より軽快にWebページを閲覧したい人に向いている。またGoogleは、「Gmail」をはじめとしたさまざまなWebサービスを提供しているので、GmailなどGoogleが提供するWebサービスを頻繁に利用する人にもオススメだ。

このほかスマートフォンやタブレットなどのAndroid端末を利用している人は、Android端末と同じGoogleアカウントでログインすれば、ブックマークなどをAndroid端末と共有できるというのもメリットだ。

Chromeのダウンロード画面

Chrome Webサイトにて「Google Chromeを無料ダウンロード」をクリックすれば、インストールが行われる。

Chrome Webサイト

Chromeの設定画面

Chromeをインストールすると、最初に「Chromeの設定」ページが表示される。ここでAndroid端末などで使っているGoogleアカウントでログインすると、それらの端末で使っているブックマークや履歴などの設定を共有できる。

Chromeでブックマークと設定をインポートしている画面

IEのお気に入りを移行する場合は、タブの右上にある「Google Chromeの設定」ボタンをクリックし、「ブックマーク」から「ブックマークと設定をインポート」を選択する。

取得先をIEとし、ブックマークと設定をChromeにインポートする画面

このようなダイアログボックスが表示されるので、「取得先」を「Microsoft Internet Explorer」にして、移行したい項目にチェックを入れて「インポート」をクリックすれば、IEのお気に入りなどがChromeに移行できる。

Chromeの新しいタブを示す画面

ChromeはGoogleのサービスを使う場合にも便利。タブの右上にある「アプリ」ボタンをクリックすると簡単にGmailなどにアクセスできる。

新しいタブを開いて、ボタンが並んでいる画面

「アプリ」タブが開く。GmailやGoogleドキュメントなどのサービスにアクセスできるボタンが並んでいる。IE用のWebページを表示する拡張機能「IE Tab」をインストールしたいときは「ストア」ボタンをクリック。

Chromeに IE用の拡張機能「IE Tab」をインストールするためストアを開き、インストールする画面

「Chromeウェブストア」が開いたら「IE Tab」を検索する。「無料」ボタンをクリックするとインストールできる。

タブの右上に「IE Tab」のボタンが追加された画面

タブの右上に「IE Tab」のボタンが追加される。IEでないとうまく表示できないWebページがあったら、このボタンをクリックすれば、Chromeのタブ内で一時的にIEの表示エンジンが利用できる。

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豊富なアドオンで自由自在に機能を追加できる「Firefox」

Firefoxの特徴は、何と言っても「アドオン」と呼ばれる拡張機能が非常に豊富なことが挙げられる。Firefoxは標準の状態だと非常にシンプルなWebブラウザーだが、これにアドオンをインストールすることで、Webブラウザーの機能を自由に追加していけるのだ。IEやChromeにもアドオンに当たる周辺ツールは存在するが、アドオンの数の多さ、幅の広さではFirefoxが群を抜いている。

Firefoxはとにかく「ないものはない」というぐらい、大量のアドオンが存在するので、「自分好みのアドオンを入れて、使いやすいWebブラウザーにしたい」「機能が豊富なWebブラウザーがほしい」というこだわり派のユーザーに向いていると言える。

ここではFirefoxへの乗り換え方法と、IE用のWebページを表示するためのアドオンである「IE Tab V2」の導入方法を例にして、アドオンの導入方法を説明する。また編集部が特にオススメするアドオンも合わせて紹介しよう。

Firefoxのダウンロード画面

FirefoxのWebサイトにて「無料ダウンロード」ボタンをクリックしてFirefoxのインストーラをダウンロードしてインストールする。

Firefox Webサイト

Firefoxインストール中にIEからFirefoxに設定を移行している画面

インストール途中に「設定移行ウィザード」画面が表示され、IEのお気に入りやパスワードなどを移行するか聞いてくる。「Microsoft Internet Explorer」を選択して「次へ」ボタンをクリックすれば設定の移行が可能だ。

インストール時ではなく後から設定を移し替える場合の画面

インストール時に設定を移行せず、あとからお気に入りなどの設定を移し替えたいときはFirefoxの「ブックマークを表示します」ボタンをクリックし、「すべてのブックマークを表示」を選択する。

「他のブラウザーからデータをインポート」を選ぶ画面

「インポートとバックアップ」のメニューから「他のブラウザーからデータをインポート」を選択すると、「設定移行ウィザード」が表示されて、IEからのデータ移行が行える。

Firefoxのアドオンが並んでいる画面

Firefoxの特徴は豊富なアドオン。タブの右上にある「メニューを開きます」ボタンをクリックし、「アドオン」ボタンをクリックする。

FirefoxでIE用Webページを開く「IE Tab V2」をインストールする画面

「アドオンマネージャ」が開くので「検索」をクリック。今回はFirefoxでIE用Webページを開く「IE Tab V2」を導入する。「IE Tab」で検索すると見つかるので「インストール」ボタンをクリックしてインストール。いったんFirefoxを再起動する。

Firefox でIE用のWebページを表示する画面

IE用のWebページを表示する場合は、Firefoxのタブ上で右クリックして「レンダリングエンジンの切り替え」を選択する。これでIE用の表示エンジンに切り替わる。

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厳選! 編集部オススメFirefoxアドオン

Tab Mix Plus

Firefoxのタブブラウズ機能を強化する。例えば複数のタブをまとめて閉じる、タブにマウスカーソルを重ねるだけでクリックしなくても選択できるようにする、右クリックメニューをより便利にするなど、さまざまなカスタマイズが可能。Firefoxを導入したらまず入れたいアドオンだ。

FireGestures

右クリックしながらマウスで特定の動作をすることで、さまざまな操作を行うことができる「ジェスチャー機能」を追加する。例えば右クリックしながらマウスを左に動かせば「戻る」、右に動かすと「進む」、下、右と動かすことで「タブを閉じる」などの操作が可能。

Add to Search Bar

さまざまなサイトの検索機能をFirefoxの「検索バー」に追加できる。サイト上の検索フォームを右クリックして「サーチバーを追加」を選択するだけで、Firefoxの検索バーからいつでもそのサイトの検索機能を利用可能になる。

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Firefox/ChromeからIEへの乗り換え方法

ChromeやFirefoxに既に乗り換え済みだが、IEも使いたい人もいるだろう。ChromeからIE11に乗り換える場合は、「インポートとエクスポート」の「別のブラウザーからインポートする」機能を使えば、ブックマークを移し替えることができる。Firefoxについては、いったんFirefoxでHTMLファイルにブックマークを出力しておいて、「ファイルからインポートする」を選べばOKだ。

ここまでWebブラウザーの乗り換えテクニックを紹介してきたが、ぜひこれを参考にさまざまなWebブラウザーを試してみて、自分に最適なWebブラウザーを探してもらいたい。

ChromeやFirefoxからIEにブックマークを移行する場合の画面

ChromeやFirefoxからIEにブックマークを移行する場合は、IEの☆ボタンをクリックし、プルダウンメニューで「インポートとエクスポート」を選ぶ。なおIEのバージョンは11を想定している。

ChromeやFirefoxからIEにブックマークを移行する場合の画面

Chromeから移行する場合は「別のブラウザーからインポートする」にチェックを入れて「次へ」ボタンをクリック。

ChromeからIEにインポートする場合の画面

「Chrome」にチェックを入れて「インポート」をクリックすればよい。

FirefoxからIEにブックマークを移行する際に「HTMLとしてエクスポート」を選択している画面

Firefoxの場合は、Firefoxの「ブックマークを表示します」ボタンで「すべてのブックマークを表示」を選択。「HTMLとしてエクスポート」を選び、HTMLファイルのブックマークを保存しておく。

「ファイルからインポートする」を選択している画面

IEの「インポートとエクスポート」で「ファイルからインポートする」を選択する。

Firefoxから書き出したHTMLファイルを開き、ブックマークを移行する画面

先ほどFirefoxから書き出したHTMLファイルを指定して「開く」ボタンを押せば、ブックマークが移行される。

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