2017年 4月 1日公開

【連載終了】仕事効率を上げるパソコン手帖

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異動・引っ越しの季節! パソコン間のデータ移行方法

テキスト/芝田隆広

4月は人事異動などの多い季節。また新年度にあわせてパソコンを新調するといったケースも多いだろう。それにあわせてパソコン内のデータも引っ越しが必要になることがある。ここではパソコンからパソコンへ、データを移行するための方法をまとめてみた。

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いろいろある! パソコン間のデータ引っ越し方法

新年度にあわせ、社内での部署異動を行ったり、新規パソコンを導入するという企業は多い。その際に今まで作成した営業先データなど、パソコンのデータを移し替える必要が生じる場合がある。

データの引っ越しは、実際にやるとなると案外面倒だ。フォルダー数個程度なら簡単だが、プレゼン資料、製品画像など大量のデータを扱う仕事の場合は手間と時間がかかる。新しいパソコンへ移行するデータとしては主に以下のようなものが挙げられる。

  • メール
  • メールのアドレス帳
  • 「ドキュメント」に保存したデータ
  • デスクトップに置かれたファイル
  • Webブラウザーのお気に入り
  • IMEなどの辞書ファイル
  • ビジネスなどで自分で作成したデータ類

このような「ファイルの引っ越し」を行う場合には、大きく分けて以下のような方法がある。

<パソコン間でのデータ引っ越し方法>

方法メリットデメリット
メールの添付ファイルでの送信
  • 特別な設定が必要がなく手軽
  • 大きな容量の転送には向かない
CD/DVD/BDメディアに書き込む
  • パソコンのドライブを使って読み書きができる
  • データのバックアップを残しておける
  • 書き込みに時間がかかる場合が多い
  • ドライブを内蔵してない機種もある
USBメモリー、USB HDDを使う
  • USB経由で手軽に利用できる
  • USB HDDならば大容量のデータも引っ越し可能
  • 新規に機器を導入するなら費用が必要
オンラインストレージを使う
  • インターネット経由で手軽にアクセスできる
  • スマートフォンなどからもデータを閲覧できる
  • インターネット経由なので大容量データには向かない
  • 外部のサーバーにデータを置くのでセキュリティ面での不安がある
LANを経由してファイルをコピーする
  • 大容量ファイルでもコピーできる
  • フォルダーの共有設定を行う必要がある
  • LAN経由でファイルをコピーする場合は両方のパソコンがオンになっている必要がある

データが5MB程度であればメール、4GB程度であればオンラインストレージやCD/DVDなどの容量の少ないものでよいだろう。100GB未満であれば、容量の大きなUSBメモリー程度でもなんとかなる。それ以上となると、LAN経由でファイルを共有してやり取りする方がよい。

それでは以下で各方法について詳しく述べていく。

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メールの添付ファイルでの送信

移行するファイルの容量がごく小さいようであれば、メールの添付ファイルを使えばよいだろう。移行したいファイルをZIP形式などでまとめてメールに添付し、自分のメールアドレスに送信すればよい。そして移行先のパソコンでメールを受信すればいい。

「送る」メニューで「圧縮(zip形式フォルダー)」を選択した画面

メールにファイルを添付する場合は、ファイル容量を縮小するほか、ファイルを一つにまとめておく方が取り扱いやすい。移行したいファイルを選択して右クリックし、「送る」メニューで「圧縮(zip形式フォルダー)」を選択してZIPファイルに圧縮する。圧縮したファイルをメールに添付して、自分のメールアドレスに送信するといい。

メールを送信したあと、送信元のパソコンでメールソフトを使うことがあるようなら、サーバーにメールを残す設定にしておこう。メールを受信したらサーバーから削除する設定にしたままで、うっかり送信元のパソコンでメール受信してしまうと、送信した内容が消えてしまう。

また自分のアドレスでメールの添付ファイルの容量制限が厳しいようであれば、一時的にGmailなどのフリーメールアドレスを取得して、それを利用するという手もある。外部のメールを使うのが禁止されている場合は、メール以外の方法を検討しよう。

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CD/DVD/BDメディアに書き込む

パソコンに記録型のCD/DVD/BDドライブが搭載されているようであれば、これらのメディアにデータを書き込んで、移行先のパソコンで読むという方法がある。

ただこれらの光学式ドライブは書き込み速度があまり速くはない。CD-RやDVD-Rといったデータの書き換えができないメディアの場合は、一回書き込んだら終わりとなってしまうのでコストパフォーマンスがあまりよくない。とはいえ一度書き込んだらあとはメディアを保管できるので、定期的にバックアップを残しておきたいといった用途では重宝することもある。

書き込み先のドライブを選択した画面

CDやDVDにファイルやフォルダーを書き込む際は、右クリックメニューで「送る」を選択し、書き込み先のドライブを選択する。ここでは「BD-REドライブ」が書き込み用ドライブ。

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USBメモリー、USB HDDを使う

USBメモリーやUSB HDDといった外付けのドライブを使う方法だ。特にUSBメモリーは日常的に使っているユーザーも多いだろう。USBコネクターに差すだけでドライブとして認識されるので非常に手軽なのがメリットだ。ただUSBメモリーの場合は、十分な容量がない場合も多い。

大容量のファイルの移行には、USB接続のHDDが便利だろう。2TBなどの大容量なモデルもけっこうあるので、引っ越したいファイルが大量にある場合でも安心だ。またUSBの外付けメディアの場合は、CD/DVDなどよりも読み書きが高速というメリットもある。

バッファロー製外付けHDD「HD-GDU3D」シリーズ

写真はバッファロー製外付けHDD「HD-GDU3D」シリーズ。USB3.0接続で書き込み速度も速い。2~8TBのモデルがある。

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オンラインストレージを使う

インターネットを経由して、サーバー上のディスクスペースに引っ越したいファイルを格納する方法。オンラインストレージの代表的なものとしては、マイクロソフトが提供する「OneDrive」が挙げられる。

OneDriveサインイン画面

OneDriveはWindows 10なら標準でインストールされている。Microsoftアカウントでサインインできる。

「OneDriveフォルダーを開く」を選択した画面

OneDriveにサインインしたらタスクトレイの雲形のアイコンを右クリックし、「OneDriveフォルダーを開く」を選択する。

OneDriveフォルダー

OneDrive用のフォルダーが開く。ここにファイルをコピーすれば、自動的にサーバー上にアップロードされる。あとは移行先のパソコンでも同じようにOneDriveにサインインすれば、データが簡単に移行できる。

ただしOneDriveの場合、無料で使える個人用のものは容量が5GBまでしかない。また「外部のサーバーにファイルをアップロードするのは不安」という人もいるだろう。

そのような場合は、有料となるが、大塚商会の提供するビジネス向けのオンラインストレージサービスである「たよれーる どこでもキャビネット」などを使うのもよいだろう。業務用のサービスなのでセキュリティ面での安心感が高い。データの移行だけでなく、スマートフォンとのファイル共有などにも便利に利用できる。

大塚商会「たよれーる どこでもキャビネット」

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LANを経由してファイルをコピーする

移行元のパソコンと、移行先のパソコンを同時に利用できる状況であれば、LANを経由してファイルをコピーするのは、お勧めの方法だ。移行先のフォルダーを共有設定しておいて、移行元のパソコンからファイルをコピーすればよい。

LAN経由なのでUSB接続でデータをコピーするのと比べると、少々速度的には劣る場合があるが、オンラインストレージなどのインターネット経由よりはかなり高速だ。また無線LANを使えば、ケーブル接続なしでファイルの移行が行える。

「プロパティ」を選択した画面

LANでフォルダーを共有するときは、フォルダー上で右クリックして「プロパティ」を選択。

「共有のプロパティ」画面

「共有のプロパティ」が表示されたら「共有」タブを選択し、「共有」ボタンをクリックする。

「ファイルの共有」画面

共有する相手を選択する。ここでは「Everyone」を選択し「追加」をクリックした。

「ファイルの共有」画面

すると「名前」の欄に「Everyone」が追加される。ここで「アクセス許可のレベル」を「読み取り/書き込み」に設定し「共有」ボタンをクリックする。なお今回は操作を簡単にするため「Everyone」(LAN内のユーザーなら誰でもアクセスできる)で共有しているので、用事が済んだら「削除」を行っておくとよいだろう。

移行先のパソコンのネットワークフォルダー画面

移行先のパソコンでネットワークを開き、移行元のパソコンの共有フォルダーにアクセスする。共有がきちんと設定できていればフォルダーが表示されるので、ここからファイルをコピーすればよい。

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