2021年 1月 5日公開

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活躍する総務は企業の顔として利潤を生む

執筆:マネジメントリーダーWEB編集部

総務には企業の代表として対外折衝を行う重要な役割があります。
総務は、さまざまな届け出や許認可が必要な官公庁への対応をはじめ、社内の担当部署が決まっていない企業や消費者などへの社外対応を担います。今回は、総務の対外折衝について解説します。

1. 総務は社外との接点として機能する

企業組織における総務部門のイメージは、社内での後方支援が中心の部署だと思われる方が多いのではないでしょうか。会社全体のサポートを行うことも総務の大きな役割なのですが、一方では企業を代表する役割も持っています。

例えば、会社には外から多くのお客様が訪れます。お客様との最初の接点となる受付業務は、ほとんどの企業において総務が管轄しています。また、電話応対も同様です。新規の問い合わせの場合は総務が対応し、しかるべき担当者に取り次ぐことになります。

対面のコミュニケーションと同じく、電話応対においても最初の印象はとても大事です。印象が良ければ良好な信頼関係を構築できますが、印象が悪ければ信頼を得ることは難しいでしょう。特に、商品やサービスの購入を検討するためにお問い合わせをいただいた場合は、収益に直接影響してきます。

上記以外にも、対応する部署が定まらない案件は、窓口としてまず総務部門が対応します。また、事業活動に関係する官公庁とのやりとりは、公式書類の提出などがあるため総務が窓口になります。
通常、取引先への対応は直接担当する営業などが行います。ただし、会社としてのごあいさつや契約更改、条件変更などで経営の責任者が対応する場合は、水面下で総務がスケジュールや交渉内容などを調整します。これは会社全体の収益につながる重要な役割となりますので、社外関係者との人脈を築き、さまざまな情報を得る必要があるでしょう。

自社からの案内については簡潔かつ的確に行うのが、総務部門の対外折衝の基本です。これを前提として、社外の方や組織と良好な関係を築けるように努めましょう。

広報部門は主にマスコミを対象として情報を発信しますが、総務部門は、不特定多数の一般の方から重要な取引先、許認可申請を行う官公庁まで、自社を取り巻く広範囲の相手と接点を持ちます。最近では、総務がSNSの対応を行うケースも増えているようです。広範囲の相手と良好な関係を構築するだけでなく、コンプライアンスや情報流出などのリスクマネジメントを行う役割もあります。

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2. 官公庁との折衝

総務部門が対応する頻度が一番高いのは官公庁です。会社設立の登記から社員の雇用に関する手続き(税金・保険・年金)、企業活動に必要な許認可申請・届け出などの際に、官公庁との折衝があります。企業存続のために必要な折衝には、申請や届け出に必要な相談や情報収集だけでなく、後援や支援といった協力要請なども含まれます。

関係する法律を順守した対応

官公庁対応の基本は法令順守です。例えば、社員の雇用については、労働基準法で定められたルールに従った書類を労働基準監督署に提出しなければなりません。テレワークなど働き方が多様化する中では、雇用形態によって残業・休日出勤の扱いが異なることもあります。従って、不明点があれば事前に相談しておくことをおすすめします。

同様に雇用関連の助成金の情報を得ておくことも大切です。また事業を続ける中では税務署との付き合いも不可欠となります。

専門家との付き合い

官公庁対応では専門的な資格や知識を有する人を必要とする場合が多くあります。
弁護士や税理士、司法書士、弁理士など有資格者とのやりとりを通して、必要な書類を正確かつ遅滞なく提出できるようにしなければなりません。

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3. SNSで大きな影響が出るようになった消費者対応

企業活動は、直接あるいは間接的に消費者が存在することで成り立ちます。一般消費者に対して商材やサービスを提供している企業の多くは、専門の消費者対応窓口やコールセンターを設けています。しかし、B to B(対企業向け)の商材やサービスを提供する場合は、一般企業からのお問い合わせに対しては総務部門が窓口となり関係する部署や担当者に取り次ぐことがあります。

消費者対応のポイント

消費者対応で難しいのはクレーム処理です。企業側からの回答に満足すれば、その後も売り上げに貢献していただける可能性が高くなります。一方で、不満を感じさせてしまった場合は自社のイメージダウンになるだけでなく、世の中にネガティブなイメージが拡散していくことにもなります。

最近は、クレーム対応がショッピングサイトへの書き込みや商品の評価に直結することも多々あります。そのため、クレーム対応を誤ると「炎上」といわれるような大きな損失を被る事態になることも珍しくありません。

クレームに対しては、どのような場合でも誠実に接することが基本です。消費者からの苦情や要望は、サービスの改善や今後の商品開発に生きる意見として前向きにとらえる必要があります。

しかし、実際にクレームに直面すると、思わず短絡的な対応をしたり、必要のないことまで言ってしまったりすることがあるかもしれません。そのような対応にならないように、消費者対応の指針を定め、リスクマネジメントの専門家などの監修を踏まえた対応マニュアルを整備し、実際に研修や訓練を行うのがよいでしょう。

また、SNSへクレームが書き込まれた際の対応はスピードが勝負となります。対応が遅れると既成事実化してしまうリスクが高まります。一般消費者に直接商品やサービスを提供している場合は、販売実績に影響してくる可能性もあります。場合によっては、自社に関係するネット上の書き込みを常時監視するシステムの導入を検討する必要もあるでしょう。

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4. クレーム対応に必要なアクション

基本は迅速かつ誠実・丁寧に対応すること

すぐに返答できないことや約束できないことは、安易に答えないようにします。「検討させていただくのでいったんお預かりする」旨をご理解いただき、対応方針が分かり次第迅速に連絡するようにします。

クレーム受け付け後の処理

  1. クレーム内容の精査
  2. クレーム対応指針の確定
  3. クレーム対応のマニュアル化
  4. クレーム対応の訓練

原則として、クレーム内容とその後の対応は、隠さずに社内全体で共有するようにしてください。全社で共有することでクレームにつながるような行為を未然に防ぎ、また同様のクレームが発生した際には迅速に対応することができます。

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5. マスコミ対応

インターネットが普及している現在でも、マスコミは高い情報発信力を持っています。
基本的には広報担当者がマスコミに対応しますが、事件・事故・不祥事の場合は総務部が対応する場合もあります。

記者発表・記者会見

以前から、企業は記者との付き合いを重視してきました。近ごろの企業の広報活動のポイントは、マスコミに取り上げてもらえるよう、取材ネタとなりそうな企画をこちらから提供することです。
例えば、「○○大賞」のようなアワードの創設や非公開情報を特別に公開するなど、話題づくりも兼ねた取材機会の提供が主流となっています。

また、前述したとおりSNSの情報発信力が高まっているという背景もあり、新製品や試乗会などの記者発表会やPRイベントでは、マスコミ各社の記者だけでなく、発信力の高いYouTuber(ユーチューバー)などを招待することも当たり前になってきました。

自社の事業活動を効果的に宣伝するためには、マスコミ各社とのつながりだけでなく、企画力が必要とされる時代となっています。多角的な視点と柔軟な発想で、より効果的な情報発信を行っていきましょう。

参考

企業広報の基本 広報とは(一般財団法人 経済広報センター「企業広報プラザ」のWebサイトが開きます)

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6. クレームを未然にモニタリングして防ぐならこのソリューション

クレームが炎上に発展するまでには通常「タイムラグ」があり、ネガティブ投稿が即時炎上に発展するわけではありません。そのため、炎上する前に察知し、適切な対応をとることで炎上を未然に防ぎます。

Webリスクモニタリングは、さまざまなメディアに投稿されているキーワードをモニタリングによる投稿の監視を行い、お客様の風評被害の予防、解決をワンストップで行います。

Webリスクモニタリング

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  • *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。