【お知らせ】がんばる企業応援マガジン最新記事のご紹介
1. 経営計画は目標達成のための行動指針
経営計画は、以下の手順で立案されます。
- 経営ビジョン達成のための大きな目標と方向性を定める(長期計画)
- 長期計画に沿ってステップごとに中間目標を定める(中期計画)
- 中期目標達成のために具体的な企業活動計画を立案(単年計画)
近年は、IT技術の進展など社会環境の変化が加速して長期の見通し(予測)が困難なため、3~5年先を見据えた計画を「中長期計画」とし、それに沿って単年の経営計画を立案する企業が多くなっています。
経営計画は企業理念やビジョンなど、経営者が会社を創業する際に思い描いた理想を基に立案されます。経営ビジョンを実現するために、経営計画を全社共通の行動指針として共有し実践します。つまり、こうして立てられる経営計画は企業活動の根幹となります。
単年の経営計画は、各部門で現状分析を行い、翌年度の目標を設定します。この全社的な調整は総務部門の役割となっています。また、立案された経営計画を全社員に周知するのも総務部門です。事業年度が4月から開始される1年単位の場合は、9月までに中間報告という形で計画の進捗(しんちょく)状況を確認します。計画どおり進んでいない場合は、その課題を検討し具体的な対応をします。経営計画といっても単に計画で終わるものではなく、必ず実行しなければなりません。
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2. 社会環境の変化と経営計画
2020年から新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)によるコロナ禍で、社会情勢は大きく変化しています。経営計画の立案に当たっては、技術革新なども含めてある程度の情勢の変化を想定して作成するのが一般的です。また、計画倒れにならないようこれまでの実績をベースに立案します。例えば、全社の年間売り上げが前年比10%増を達成していれば次年度の売り上げ目標を15%増と設定するなど、順調に事業展開した場合の目標設定を行います。しかし、リーマンショックのような大きな景気変動や被災などにより大きな損失を被った場合は、経営計画を根本から見直すことも必要になるでしょう。
経営計画の見直し
計画の見直しは、進捗状況を点検し、課題の抽出から行います。通常は該当する部署や担当ごとに対処しますが、コロナ禍のような社会的な影響による課題は全社的に対応する必要があります。また、損失を軽減するためには迅速に判断をしなければなりません。
これを全く準備のない状況から行うのは大きなリスクが生じます。場当たり的な対応が別の問題を引き起こすこともありますし、対応が二転三転することで関係者・従業員の信頼を損ねることにもなりかねません。
損害・損失を軽減するために行うこと(BCPの策定)
BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)に従って経営計画を見直します。BCPとは、災害や事故、トラブルなどの緊急事態で経営資源(人材・設備・資金・情報)に損失が発生し、事業継続が困難になった際に事業活動を停止させないために、有事を想定した連絡・組織体制の準備、発生時の対応方法などを定めた計画です。
有事の想定とは、地震や水害、火災などの災害だけでなく、インフルエンザなどの流行性疾患や不祥事、取引先のトラブル、情報漏えいなど、企業活動継続の障害となるあらゆる事態が含まれます。中長期的には、経営者の事業承継などのライバル企業の動向、法改正といった自社の存続に影響を及ぼす事柄も視野に入れて徐々に準備を進めることもあります。
コロナ禍でも、テレワークなどへ迅速に移行できた企業は平素からのBCPにより準備が整っていたと思われます。もちろん、全く予測不能な事態や、予想はされていても規模と期間が想定外だったという事態が発生することはあるでしょう。しかし、緊急事態の際の組織整備などの基本的な準備ができていれば、それを応用することで想定外の事態が起きても迅速に復旧できる可能性があります。緊急時に社員を守り、事業を継続させ、会社を存続させるという目的はどんな事態であっても不変です。そのため、復旧措置はいかなる状況でも共通する要素が多いのです。災害は必ずしも完全に回避できるものではありませんが、備えがあれば損失を最小限にとどめることは可能です。BCPは計画を立てて終わりではなく、日常的に見直してバージョンアップし続けることが重要です。このBCPの計画と経営計画を連動させることで、有事に強い体質を持った企業となります。
事業創出のフィールドをつくる
人と同じように製品やサービス、そして企業そのものにも寿命があるといわれています。そして、その成長段階は、主に以下の3段階に分類されます。
- 創業期:企業の創業、製品・サービスの登場段階(売り上げ未計上)
- 成長期:事業および企業の売り上げが計上される段階(営業利益未計上)
- 安定・拡大期:事業および企業の収益が計上され少なくとも1期黒字化した段階(営業利益計上)
2016年に中小企業庁が、創業後5~10年の持続成長型の企業に対して現在どの成長段階にあると思うかを聞いた調査によれば、約7割の企業が安定・拡大期と回答しています。
しかしながら、何も手を打たないまま事業活動を行っていますと、やがては衰退期に入り廃業や倒産となる可能性も出てきます。
「2017年版小規模企業白書」(2017年4月版)(中小企業庁のWebサイトが開きます)
この安定・拡大期を持続するためには、社会の変化に動じることなく企業理念を保ち続けることと環境変化に対応した事業改革を行うことの両面が必要です。つまり、創業時の夢や理想の実現に向かって、社会のニーズに合った製品やサービスの改変や改良を行い続けることが重要なのです。また、自社の強みがどのように生かせるかを追求し続けることも大切です。組織や人材配置が固定化し硬直化してきますと、改革や変化を嫌う風潮になることがあります。これは衰退期の警告サインです。常に革新し続けることで企業は成長します。
企業理念を追求するために、新しいことにチャレンジする企業風土を形成していくことが安定した発展につながります。経営計画でも現在核となっている事業と将来核となる事業を明確にして、ゴールのイメージを具体的にすることが、目標達成の機運を高めるポイントとなります。景気の低迷など先行き不透明な時代こそ自社の目指す方向性と目標への到達方法を分かりやすく示すことが必要なのです。そのために、現状の課題を徹底的に洗い出し、解決策を探りましょう。その解決方法を具体的に提示し、全社共有するのが経営計画となります。
未知の時代に対応した経営計画とは
コロナ禍という社会環境の変化は、テレワークに象徴されるように働き方の概念を大きく変えました。これまでは、企業=オフィス=働く場所でしたが、自宅でも勤務できることが当たり前になり、リアルなオフィス空間に加えてネット上のバーチャルな空間を利用して働くことが可能となっています。
コロナ禍以前に基本的な課題として指摘されていたのは、中堅・中小企業の人材確保です。少子高齢化が進み、労働人口の減少が大きな課題となりました。そのために「働き方改革」が法整備を含めて推進されてきましたが、コロナ禍はこの動きを加速させました。
テレワークは、できる企業とできない企業、あるいは職業によって可能・不可能に分かれるといいます。企業の中でも、コロナ禍が収束してもテレワークを継続したい社員と、テレワークでは業務効率が悪くなると考える社員が混在している場合があります。しかし、中長期的な視点で考えるならば、テレワークに対応して業務効率を向上させ、収益を上げることを課題としてインフラ整備を行うことが急務と思われます。
なぜなら、コロナ禍はいったん収束しても新たなウイルスの登場や変異で再燃する可能性があり、加えて地震や洪水などの大規模な自然災害が発生する可能性もあるからです。また、少子高齢化の進展による人材難の解消や育児・介護と仕事の両立にもテレワークは有効とされています。
しかし、「自宅にPCやWi-Fiを用意しただけではテレワークの効果を得ることができない」ということを痛感している企業は多いのではないでしょうか。全社的にIT技術を使いこなす企業風土が必要なのです。いわゆるDX(Digital Transformation)です。
DXは、デジタル技術革新による生活やビジネスの変革という意味ですが、これはIT技術の導入だけでなく、それを有効活用する体制やルールなどを整え企業全体が変化していくことを意味します。
未知の時代でも安定した成長を遂げるために、経営計画を立案する際はDXというキーワードを正面から捉えて検討することをおすすめします。働き方が変化してオフィスの在り方も変わりつつある現在、自社がどのような姿を目指すのかを検証し、その結果を全体共有しましょう。また、中堅・中小企業向けのDX推進については、国の補助金の制度もありますのでそちらも検討してみましょう。
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3. 事業継続計画(BCP)策定支援サービス
分析・策定、教育・訓練・監査の実施を支援
災害、伝染病流行、風評、不祥事、IT障害などからビジネスを守り、維持するための経営管理として、BCMS(Business Continuity Management System:事業継続管理システム)が注目されています。大塚商会では、BCP(事業継続計画)の策定、BCM(事業継続管理)、BCMS(事業継続管理システム)など、構築や運用を支援するサービスをご提供しています。
事業継続計画(BCP)策定支援サービス
- *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。
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