1. 雇用関連の助成金とは
雇用に関連する助成金は、景気の低迷や業績の悪化で事業の縮小を余儀なくされた場合に、従業員の雇用を維持する目的で労使協定に基づいて従業員の手当の一部などを補助する制度です。取り扱い内容や対象者によりさまざまな種類が用意されています。分野別に大別すると以下の8分野になります。
分野別雇用関連の助成金
- 従業員の雇用維持を図る場合の助成金
- 離職者の円滑な労働移動(転職・転籍・再就職など)を図る場合の助成金
- 従業員を新たに雇用する場合の助成金
- 障がい者の雇用環境整備に関係する助成金
- 雇用環境の整備に関係する助成金
- 仕事と家庭の両立に取り組む場合の助成金
- キャリアアップ・人材育成に関係する助成金
- 労働時間・賃金・健康確保・勤労者福祉関係の助成金
- * 上記のほかに地震などの災害に関係する助成金があります。
雇用関連の助成金の詳細は、厚生労働省Webサイトに記載してある「雇用関係助成金」検索表をご覧ください。
「雇用関係助成金」検索表(厚生労働省のWebサイトが開きます)
雇用調整助成金
雇用調整助成金は、景気の変動、産業構造の変化などに伴う経済上の理由によって事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が一時的に休業(休業および教育訓練など)、または出向を行うなどして労働者の雇用の維持を図る場合に休業手当、賃金などの一部を助成するものです。教育訓練を実施した場合には、教育訓練費が加算されます。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例処置として、2020年4月1日から2021年11月30日までの期間を1日でも含む賃金締め切り期間(判定基礎期間)を対象に、助成率および上限金額の引き上げが行われています。特例処置は状況により内容が随時変更される可能性がありますので、厚生労働省のWebサイトなどで最新の情報をご確認ください。
主な支給の対象
- 雇用保険適用事業所(事業主)
- 雇用保険被保険者(従業員)
雇用保険に加入している事業所の事業主と雇用保険の被保険者となっている従業員が支給対象となります。ただし、同一の事業所で被保険者として雇用された期間が6カ月未満の場合は対象となりません。
主な支給要件
- 最近3カ月の生産量、売上高などの生産指標が前年同期と比べて10%以上減少していること。
- 雇用保険被保険者数および受け入れている派遣労働者数の最近3カ月間の月平均値の雇用指標が前年同期と比べ、一定規模以上増加していないこと(*)。
- 実施する休業等および出向が労使協定に基づくものであること(計画届とともに協定書の提出が必要となります)。
- 過去に雇用調整助成金または中小企業緊急雇用安定助成金の支給を受けたことがある事業主が新たに対象期間を設定する場合、直前の対象期間の満了の日の翌日から起算して1年を超えていること。
- * 大企業の場合は5%を超えてかつ6人以上、中小企業の場合は10%を超えてかつ4人以上
受給手続き
- 事業主が指定した1年間の対象期間について、実際に休業を行う判定基礎期間ごとに事前に計画届を提出することが必要です。
- 初めての提出の際は、雇用調整を開始する日の2週間前をめどに、2回目以降については、雇用調整を開始する日の前日までに提出してください(最大で3判定基礎期間分の手続きを同時に行うことができます)。
- 支給申請期間は判定基礎期間終了後、2カ月以内です。
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2. コロナ禍で注目される補助金や助成金
社員育成・人材開発で企業のパフォーマンスを向上
世界中が新型コロナウイルスの渦中にある今、多くの企業経営者は経済的に苦しい状況を強いられています。それに伴い、コロナ禍で活用できる補助金や助成金が注目を集めています。補助金と助成金は混同されることも多いため、簡単にその違いを整理し、今、利用できる補助金をピックアップしてご紹介します。
- *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。
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