2023年 4月17日公開

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快適なWeb会議のためのルール作りを始めよう

著者:岩野 麻子(いわの あさこ)

マスク着用ルールも見直しとなり、コロナ禍もそろそろ本格的に一段落を迎えようとしています。オンラインのメリットを生かした働き方を今後も続けるなら、Web会議におけるマナーやルールもこの機会に見直してみてはいかがでしょうか。

1. Web会議の目的と手段を見直しする

Web会議の導入は当初、感染症の拡大防止が目的の一つであったという企業も多いことと思います。潮目が変わるこの時期を機に、業務効率化やデジタル化、ワークライフバランスの両立やBCP対策など、Web会議導入の目的を見直してみてはいかがでしょうか。また、目的の優先順位を整理することで、オンラインとオフラインの使い分けなど、Web会議の手段や実施方法についても共通のルールを作っておくとよいでしょう。

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2. Web会議の注意点

Web会議には多くのメリットがありますが、その一方でいくつかのデメリットがあります。今後もWeb会議を続けるうえで注意しておきたいポイントを三つご説明します。

1. 過労にならないよう注意する

Web会議は、物理的な移動を伴わないことから、1日に何件ものWeb会議の予定を入れてしまい、どっと疲れを感じた経験のある方も多いと思います。厚生労働省の「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」を参考に、Web会議漬けにならないよう、以下のようなルールがあるとよいでしょう。

Web会議ルールの一例

  • 会議が長時間に及ぶときは、1時間ごとに10分程度の休憩を入れるようにする
  • 休憩中は遠くを眺めてストレッチをするなど、目や体を休ませるようにする
  • 会議の予定の間隔は、あらかじめ30分以上空けておく
  • ミーティングは、オンライン、オフラインを問わず1日あたりの件数の上限を決めておく

2. ハラスメントをしない、させない

Web会議の場でも、以下のようなハラスメントが問題となっています。このような場面を見かけたら、職場の上司や同僚に相談するなどして、1人で抱え込まないようにしましょう。

ハラスメントの一例

  • 職場で孤立させる意図を持って、特定の個人をWeb会議に呼ばない
  • Web会議後も継続的に監視する目的で、カメラをオンにすることを強要する
  • 部屋の中を見る目的で、相手が映り込んだスクリーンショットを撮る
  • 他者が参加するWeb会議で、特定の個人に対し長時間、または繰り返し過剰な叱責(しっせき)を行う

3. 意識して「相手を肯定するコミュニケーション」を取る

オンライン上では、視覚、聴覚以外の情報がそぎ落とされてしまう分、受け手の反応が伝わりづらく、無反応、伝わりづらいと感じやすくなります。また、音声にタイムラグが発生する場合もあり、コミュニケーションが取りづらいと感じたことのある方も多いと思います。オンライン上では意識して「相手を肯定するコミュニケーション」を心がけるとよいでしょう。

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3. Web会議における一般的なマナー

Web会議の場だけでなく、一般的な職場のマナーとしても再認識したい内容を中心に挙げてみました。こちらはあくまでも一例ですので、個々の職場に合ったルールを取り入れるようにしてください

Web会議マナーの一例

  1. 顔出しを原則とする

    顔出しができない合理的な理由がある場合は、移動中であるなど、差し支えない範囲で相手に理由を伝えると安心感につながります。

  2. Web会議の開始時、終了時にはあいさつをする
  3. カメラ目線、または正面を向く
  4. あいづちは大きくうなずくなどして伝える

    音声はタイムラグで相手の話を遮ってしまう場合があるため、声には出さずに映像として伝わるように相づちを打つとよいでしょう。

  5. 他の参加者が話しているときはマイクをミュートにする

    できるだけ静かな環境から参加することが望ましいですが、生活音や雑音が気になるときはミュートにするなど、使い分けるとよいと思います。

  6. 自身が発言する際は挙手のうえ、発言をする

    他の参加者の意見は最後まで聞くなど、相手の話を遮らない配慮が必要です。

  7. できるだけゆっくり、はっきり話す
  8. 最低限の身だしなみを整える

    カメラの映り方も時々確認するとよいでしょう。意外と顔がアップで大きく映りすぎてしまっていたり、カメラが遠すぎて表情が見えにくくなっていたりする場合もあります。

  9. 通信環境や、マイク、カメラの設定は事前に確認しておく

    ミーティングが始まってから参加者を待たせないよう、マイクやカメラの設定は事前に確認しておくとよいでしょう。

  10. 画面共有を行う場合は、情報漏えいに気を付ける

    映し出す必要のないものは閉じておきます。また、個人情報などを画面共有する場合は事前に相手に確認するなど、画面共有や話を始める前に相手の状況を確認しておきましょう。

  11. 録音や録画、スクリーンショットは、あらかじめ撮影などの許可を得ておく。

上記はマナーの一例ですが、一方で強制させるもの、価値観に起因するものはハラスメントに発展する恐れがあるため、行き過ぎとならないよう、合理的な理由があれば例外を認めるなどの配慮が必要です。また、Web会議に不慣れな相手や、単に相手が気付いていない場合は、必要なサポートを行ったり、システム設定でその状況が起きないよう事前に回避したりするなどしてもよいでしょう。

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4. 職場で話し合って、快適なWeb会議のためのルール作りを

マスクを外すタイミングが増えるこの機会に、Web会議で困っていること、感じていることについて、まずは職場で話し合ってみるのもよいかもしれません。Web会議のデメリットが解消され、快適にWeb会議が継続できるようなルール作りができるとよいですね。

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