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2021年10月27日公開
【連載終了】読んで役立つ記事・コラム
【アーカイブ記事】以下の内容は公開日時点のものです。最新の情報とは異なる可能性がありますのでご注意ください。
執筆:マネジメントリーダーWEB編集部
事業承継の主流となってきた第三者承継とは。中堅・中小企業経営者の高齢化が深刻化しています。超高齢化社会となる2025年を前に、事業承継で注目されている第三者承継について解説します。
目次
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少子高齢化社会の到来といわれて久しいですが、これからは「超高齢化社会」の時代となります。日本全体の高齢化が進む中、2025年には出生数の多い団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、国民の4人に1人が75歳以上になるのです。これにより、医療費、介護、年金の問題が顕在化すると予測されています。これが「2025年問題」です。
そして、ビジネスにおいても中堅・中小企業の事業承継が依然として大きな課題となっています。2025年には、70歳(経営者の平均引退年齢)を超える中小企業・小規模事業者の経営者は約245万人となり、うち約半数の127万(日本企業全体の1/3)が後継者未定という状況です。このまま推移すれば、中小企業・小規模事業者廃業の急増により、2025年までの累計で約650万人の雇用、約22兆円のGDPが失われる可能性(*)も出ています。
中小企業庁 中小企業・小規模事業者におけるM&Aの現状と課題(2019年版)(中小企業庁のWebサイト<PDF>が開きます)
さらに、2020年以降の新型コロナウイルス感染症の影響で、事業承継の状況はさらに悪化することも懸念されます。このような事態に対して、時間と手間がかかる、親族や社内の後継者を育成し引き継ぐ従来の事業承継ではなく、企業同士の合併であるM&A方式による「第三者承継」が国の施策として推奨されてきました。その結果、この第三者承継に取り組む企業が増加傾向にあります。
「第三者承継」とは企業の経営権を親族や会社の従業員以外の人物(または企業)に委ねることです。これまで経営権は親族、もしくは社内の後継者に引き継がれることが多かったのですが、少子高齢化などで事業を引き継ぐ親族がいない、社内でも後継者となる人材が育成できないなど、後継者不在となりやむを得ず廃業に至る企業が近年は後を絶ちません。特に独自の技術を持ち企業経営も黒字化している場合は、長年にわたり培った技術や人材が失われ、社会的にも大きな損失となります。そのため、後継者が見つからない場合は企業同士が合併して一つになるM&Aによる事業継続が推奨されています。基本となる仕組みはM&Aとなり、高齢の代表者の経営する会社が比較的若い世代の代表が経営する企業に経営権を譲渡し事業承継していくのが一般的です。しかし、経営権の引き渡しは吸収合併や自分の会社を従業員ごと他社に売り渡すというネガティブなイメージがあり、M&Aをちゅうちょする経営者も多くいます。
そのため近年、中小企業庁では、後継者不在事業者の事業承継を支援するため、中小企業のM&Aの相談や助言を行う「事業引継ぎ支援センター」を全国47都道府県に設置し、後継者不在の中小企業・小規模事業者と譲り受けを希望する事業者とのマッチングを行っています。譲り受けるのは企業だけでなく、これから創業を目指す個人も含まれています。そのため、経営者の思いを含めた事業譲渡が実現することもあります。また、譲り受ける側は技術や取引先などの事業資産を引き継ぐことになるため、創業時の負担やリスクが大幅に軽減されるというメリットが生まれます。
社会問題化している事業承継を推進するために、さまざまな支援制度が用意されています。
中小企業の事業承継を総合的に支援する「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」(経営承継円滑化法)においては、以下の4項目における支援が定められています。
事業承継で発生する株式の贈与や相続について、納税猶予や免除などの税制措置があります。
第三者承継トライアルとして、第三者への事業承継に取り組む中小企業や小規模事業者に対しての補助金支給の制度もあります。申請期間などの詳細は中小企業庁のWebサイトをご覧ください。
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