【お知らせ】がんばる企業応援マガジン最新記事のご紹介
1. オンライン面接とは
2020年初頭からまん延し始めた新型コロナウイルス感染症の拡大により、企業の採用方法は大きく様変わりしました。不要不急の外出や県をまたぐ移動の自粛が呼び掛けられ、面接会場で応募者と採用担当者が顔を合わせて面接を行うことは困難となりました。そのため、インターネットを利用したオンライン面接に移行する企業が急増しました。
オンライン面接は、パソコンやスマートフォンなどの端末からWeb会議ツールなどを利用して、オンラインでお互いの表情を見ながら会話し面接する方法です。企業ではテレワークをはじめインターネットを介した業務スタイルが増えており、応募者側もオンライン授業(学生の場合)など、オンラインでコミュニケーションを取ることが一般的になっています。そのため、現在では採用面接もオンラインが主流となっています。
その一方で、オンライン面接だけで採用を決める・採用されるのは不安があるとの声も多くあります。特に企業側では、オンライン面接だけで自社に適した人材を獲得できるのかという疑問や悩みも多いようです。そこで、オンライン面接についてその効果を探り、さらに実施の手順や将来の方向性などについてご説明します。
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2. オンライン面接のメリットとデメリット
メリット
面接コストの軽減
応募者の交通宿泊費を企業側が負担している場合はその費用が軽減されます。応募者も同様に費用負担と移動時間・労力などの負担が大幅に軽減されます。
広域なエリアからの採用が可能となる
面接にかかる費用と時間が軽減されるため、遠隔地に居住する人材の応募が増えることが期待できます。また、中途採用の場合は、育児や介護などの事情で面接会場に足を運ぶことが難しい人材も応募しやすくなります。極論になるかもしれませんが、海外に居住する人材の応募に対応することも可能です。テレワークを推進してグローバルな人材採用を予定している場合は、オンライン面接は不可欠の方法となります。
上記以外にも、採用までの時間短縮により優秀な人材の囲い込みが可能になるなども期待できます。オンライン面接は、海外も含めた遠隔地に居住する人など、募集の対象が広がることに大きなメリットがあります。
デメリット
ハード環境による影響
利用するネットワーク環境やPCなどの機材にもよりますが、会話にタイムラグが生じたり、画面が鮮明に映らなかったり、断線などのトラブルで面接自体ができなくなったりすることがあります。
オンラインでの質疑応答では若干のタイムラグが生じるため、相手がコメントし終わる前に発言しないなどの慣れが必要です。また、画質にも注意が必要です。画質が低かったり明度が暗かったりすると相手からの印象も悪くなりがちです。ハード環境が面接内容に悪影響を及ぼさないように席の位置や照明を工夫するとともに、通信環境を整備し企業イメージを損なわないように最善の状態で面接を行いましょう。特に、面接担当者が在宅で面接を行う場合も注意が必要です。
セキュリティ
面接は個人情報そのものを扱いますので、応募者の情報が第三者に漏れることのないよう注意しなければなりません。同様に企業情報の流出にも気を付ける必要があります。応募者に、家族や周囲の人に通話内容を聞かれないよう注意を促すことが必要です。特にファミレスやカフェのような、第三者が容易に会話内容を聞くことのできるような場所からアクセスすることがないよう、事前にその旨を周知しておきましょう。自宅以外からアクセスする場合は理由と周辺状況を確認する必要があります。面接する側も同様に、自席で面接を行って内容が周囲に丸聞こえになっていたというようなことがないように注意してください。
このようなデメリットを回避するには、会社としての方針を明確にし、ルール化することが必要です。オンライン面接のマニュアルを作成し、模擬オンライン面接などの事前研修を実施するのがベストです。
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3. オンライン面接の手順と注意点
事前告知(オンライン会社説明会)
企業概要や採用目的、業務内容、待遇などのオンライン説明会を行います。質問などにその場で対応する場合はチャットを利用し、後日詳細な返答を行う場合はメールを使用するのが基本です。企業概要は、口頭だけで全てを伝えるのは困難なため、パンフレットなどの資料を事前に送付するか、ダウンロードファイルを用意します。会社案内などの動画を用意すれば、応募者も就業イメージを描きやすくなり応募意欲が向上します。応募意欲の向上を図るために自社の情報提供を充実させましょう。
事前準備
オンライン面接のアポイントを設定します。リアルな面接の場合は応募者の移動時間を考慮しなければなりませんが、オンラインの場合は遠距離に居住する応募者でも面接開始時間を制約されづらくなります。
対面の面接と違い、オンライン面接は通信機器・回線を使用します。面接前に使用する通信ソフト(Microsoft Teams、Zoom、Skypeなど)やカメラ、マイクの確認を行うことを応募者に推奨するなど、簡単な面接マニュアルを作成・配布して応募者の不安を軽減することをおすすめします。
面接する側も、機器や回線の確認、画面に余計なものが映り込んでいないか、音声は明瞭に聞こえるかを事前に確認しましょう。応募者に良い印象を与えるように面接官の表情や服装などの映り具合もチェックしてください。
また、何らかの原因でオンライン面接が実施できなくなった場合の連絡方法も確認しておきますと、機材やネットワークの不調で面接が中断してもすぐに対処することができます。応募者がスマートフォンやタブレットで接続する場合は、充電切れが起こらないかの注意も促しましょう。
服装などのドレスコードについては、会社の方針をあらかじめ伝えておくと応募者の不安が軽減されます。リアルな面接ではいわゆるリクルートファッションが主流ですが、オンライン面接では普段着でOKという企業が多いようです。入社後もテレワークが多いなどカジュアルな服装で勤務する場合は、普段着のときの雰囲気を確認しておく方が良いかもしれません。
面接時
応募者はログイン状態で待機しています。通信状態を確認した後、「これから面接を始めます」など、相手に面接の開始を伝えて始めます。面接開始前の採用担当者同士の雑談などが応募者側に聞かれることのないように注意しましょう。また、唐突に質問すると応募者も戸惑いますので面接趣旨や進行などの簡単な説明を行ったうえで開始しましょう。
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4. 雰囲気の醸成
オンライン面接では、カメラで確認できる範囲の情報しか分からないため、お互いに相手の細かな雰囲気が分かりにくい場合があります。例えばリアルの面接の場合、表情はにこやかにしていても手は固く握りこぶしをつくっている場合、応募者が緊張していることが分かりますが、オンラインの場合は分かりにくくなります。相づちや反応をはっきり示すなど、応募者が本来の実力を発揮できる雰囲気づくりを心掛けることをおすすめします。音声が聞きづらくないかなどの配慮を小まめに行うことも必要です。
面接終了時は、「これで面接を終了します」などの声掛けをして、退出(ログアウト)を促します。終了後も面接担当者の内輪の会話が応募者に聞かれることのないように注意しましょう。また、メールなどで追加質問を受ける際は、○日○時までと受付期限を明確に伝えます。
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5. オンライン面接のノウハウ取得は企業にとっても重要な課題
テレワークが普及し、企業活動のさまざまな局面でオンラインミーティングが行われるようになりました。これからは、オンラインによるミーティングがさらに浸透し、社内外の折衝の多くがオンラインで行われるようになっていくと思われます。オンライン面接は、そのような環境に適した人材を獲得する有効な機会となるでしょう。また、応募者の居住エリアや育児・介護などの生活事情に左右されにくい採用活動を行うことは、少子高齢化時代の働き手不足を解消する有効な手段となる可能性もあります。
もちろん、応募する側もオンライン面接で採用されるためのノウハウを身に付けてきますので、採用してみたら期待と異なる結果となることも想定できます。オンラインとリアルのギャップをなくしていくことが、これからの面接課題となります。オンライン面接が本格化したのはコロナ禍がきっかけであり、オンラインで採用した人材の評価ができている企業はまだほとんどありません。(2021年11月現在)そのため、多くの企業では手探りの状況が続いています。しかし、企業活動に必要な人材の採用を停滞させるわけにはいきません。
そのために、採用担当者自身がオンライン面接に慣れることが急務です。そのうえで面接内容と採用結果の検証と改善を積み重ねていくことがオンライン面接成功のノウハウとなります。また、面接だけでなく、会社説明会、会社訪問、内定者研修やOJT、入社後の研修など、採用に関わる業務を総合的に見直していくことも必要です。人材の採用から育成までの全てをオンライン化する前提で検討してみることをおすすめします。
多様な働き方が浸透し、面接だけでなく、入社後もオフィスに出社することなく業務を行うこともあるかもしれません。オンライン面接はこれからの時代に適した人材を見つけるための最初のステップとなります。オンライン面接の結果が企業の成長・発展に大きな影響を及ぼすといっても過言ではないかもしれません。
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6. 採用面接をオンライン化する
Web面接は採用までにかかる時間の短縮、コスト削減と採用側のメリットだけではなく、応募者側も移動にかかる交通費や宿泊の費用がかからず、経済的負担が抑えられます。Web面接では録画もでき、後日見直したり、ほかの面接担当者と共有したりして二次面接以降の選考もスムーズに行えます。
- *本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞、掲載の図版内容等は公開時点のものです。
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