2018年 8月20日公開

IT用語辞典

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アドホックネットワーク

制作協力:株式会社インプレス

読み方 : あどほっくねっとわーく

アドホックネットワークとは

アドホック(ad hoc)はラテン語で「一時的な、その場限り」の意。「自立分散型無線ネットワーク」とも呼ばれる。パソコン、携帯電話、タブレットなど、無線でネットワークに接続した端末だけで構成され、アクセスポイントや専用基地局を利用しないネットワークを指す。

アドホックネットワークは、多数の端末同士を基地局の介在なしに直接接続することができる、マルチホップ通信の技術を用いる。マルチホップ通信は、多数の端末が自立分散的にルーターと同様の役割を担い、数珠つなぎのように通信するため、基地局がなくても、ほかの端末を中継しながら通信エリアを拡大することができる。

アドホックネットワークで利用される無線接続の方式としては、通信半径が100メートル程度と広い「IEEE 802.11x」、通信半径が10メートル程度と狭い「Bluetooth」、モバイル接続に適した「ZigBee」などの規格がある。

アドホックネットワーク内では端末は常に移動し、端末相互間のリンクが不確実であるため、通信経路の決定、無線周波数の帯域や出力などの技術的課題は残っている。しかし基地局が不要なため、低コストのネットワーク構築や災害時の通信に役立つ。