2025年 9月16日公開

IT用語辞典

AIガバナンス

制作協力:株式会社インプレス

読み方 : えーあいがばなんす
英語正式表記 : AI governance

AIガバナンス

AIを安全、公正、かつ透明性を持って活用するためのルールや管理の仕組みを、AIガバナンスと呼ぶ。具体的には、個人情報の保護、差別的な判断の回避、説明責任を果たすといった倫理的・社会的な基準を守りながらAIを使っていくという考え方である。

AIの利用範囲が急拡大し、それに伴うリスクやトラブルが顕在化してきた昨今、AIの適正な利用を求めて、企業や団体はAIガバナンスを重要視している。具体的な取り組みとしては、社内におけるAIの使用ルールを明確化する、利用ガイドラインを整備する、AIのリスクや適切な使い方について社員への継続的な教育を実施するなどの動きが見られる。

例えば、MicrosoftはAIの安全で信頼性ある運用のために、「公平性」「透明性」「説明責任」などの6つの原則を掲げ、社内に専門組織を設置してガバナンスを徹底している。IBMは、AIの倫理的活用のために「責任あるAI」の原則を掲げ、AI倫理委員会を設置している。公平性、説明性、トレーサビリティを確保する仕組みを構築し、バイアスの抑制や透明性の向上に取り組んでいる。国内では富士通が、AIの倫理的活用を推進する目的でAI倫理ガバナンス室を設置し、早期からAIの公平性や透明性を重視した取り組みを進めている。

国際的な規制への対応やブランドリスク回避を目的として、大企業を中心に専門組織を設置し、AIガバナンスを強化する動きが広まっている。一方、中小企業ではコストやリソースの制約から、外部のガイドラインを参考に、簡易的な対応から始める傾向が見られる。企業規模にかかわらず、社会的信頼を得るためには、段階的にAIガバナンスの整備を進めていくことが求められている。

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