ARとは
Augmented Realityの略。「拡張現実」の意味。実在する風景に、デジタル合成などによって作られたバーチャルの視覚情報を重ねて表示し、人間の現実認識を強化して拡張する技術、またはコンピューターによって拡張された現実環境を指す。「拡張現実感」「強化現実」「増強現実」とも呼ばれる。
ARにはいくつかの種類があり、以下のように分けられる。
(1)位置認識型AR
スマートフォンなどのデバイスのGPS機能で取得される位置情報で認識する。カーナビや観光情報アプリなどに多く活用されている。
(2)マーカー型の画像認識AR
あらかじめ登録された輪郭が付いた図形マーカー(QRコード)を2D(静止画)で認識する。
(3)マーカーレス型の画像認識AR(ノンマーカー)
自由な平面のイラストや画像(静止画)の特徴を捉え、2D(静止画)で認識する。背景が変わらなければ、実物の風景や実際にある物体や人物でも静止画状態の画像として認識する。
(4)3D空間認識AR
立体的に特徴を捉え、認識する。立体や空間で認識する場合は、物体や人物をさまざまな角度から捉えることができる。現在のウェアラブル端末でのAR利用は空間認識が主流。
スマートフォン技術の向上と普及により、AR技術の搭載が可能になったことで、誰でも簡単にARを利用できるようになった。ARを活用したアプリでは、「ポケモンGO」「Ingress」「SNOW」「かざすンAR」「Just a Line」などがある。例えば、「Just a Line」はスマートフォンのカメラを通して見える景色に対し、仮想的な落書きを施せる。このほかにも、建設、土木、運輸、小売などの産業で活用されており、特に医療分野での活用も非常に注目されている。例えば、CTスキャンのデータをARで分かりやすく表示して患部の状態を詳細に伝える、オンライン手術でARを活用して手術支援を行うものなどがある。