アバター
アバターとは、サンスクリット語で「神の化身」を意味する「avataara(アヴァターラ)」を語源とする英語で、「化身」「具現」「権化」などの意味を持つ。ITの分野では、インターネットやゲームなどの仮想空間上に登場するユーザーの分身となるキャラクターを指す。
ユーザーは、仮想空間上のアバターに対して、顔のパーツや服装などを自由に選択し、オリジナルのキャラクターを設定できる。必ずしも実際のユーザーの姿を表したものにしなければならないわけではない。性別や年齢などを設定するだけではなく、動物やロボット、特定の漫画やアニメのキャラクターなどに似せたアバターが使われることも多い。
アバターはもともと、ゲームやSNSなどのエンターテインメントの分野で使われることが多かったが、近年ではビジネスの分野での活用も進んでいる。代表的な例としては仮想オフィスツールがあり、インターネット上の仮想的なオフィス空間に、ユーザーを模したアバターが出社し、ほかのメンバーとコミュニケーションを取れるようになっている。コロナ禍によりリモートワークが普及した反面、社員同士のコミュニケーション不足や一体感の喪失、また従業員の孤独感の増大などが課題となるなか、仮想オフィスツールはそれらを軽減・解消する手段として注目されている。また、百貨店やショッピングモールなどの大型商業施設では、仮想空間とアバターを組み合わせた接客サービスや販売対応などを取り入れる事例もある。