ベイズ分析とは
18世紀のイギリスの数学者、トーマス・ベイズが考案した「ベイズの定理」をもとに、統計学を応用した分析手法をいう。
一般的な統計学は、集めたデータそのものを分析するが、ベイズ統計学は集めたデータに物事が起こる確率とデータ同士の関連性を加味して分析する。そのため、データが不十分でも、「ある事態が発生する確率」を最初に主観で設定し(事前確率)、その後、実際の観測データで補正していく。この結果を「事後確率」という。これによって、本来起こるであろう事象の確率(主観確率)を導き出すことができる。
ベイズ定理を応用するには、高度な積分計算が必要になるため、コンピューターの処理能力が低い時代にはあまり現実的とはいえず実用に至らなかったが、IT技術が飛躍的に進化した現代では、ベイズ定理を応用できる環境がようやく整ってきたといえる。
現在、ベイズ統計が応用されているサービスには、検索エンジン(マイクロソフトやGoogleなどでは、ベイズ定理の研究者を積極的に採用)や、ネットショッピングやクレーム処理、AI(人工知能)における機械学習(Machine Learning)、迷惑メール判別、アプリケーション開発、自動運転、スマートフォンの音声解析などが挙げられる。