2020年 5月11日公開

IT用語辞典

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ビーコン

制作協力:株式会社インプレス

読み方 : びーこん

ビーコン

もともとは灯台やのろし、水路・航空・交通標識といった意味があり、何かを誘導したり、信号を送ったりするものや、その行為を指す言葉。通信業界では、主に無線標識のことをいう。地上の無線局などから発信された電波を、航空機や船舶、自動車などに搭載された機器で受信することで、位置情報などを取得するために用いられている。

IT業界では、極低電力の近距離無線通信規格「Bluetooth Low Energy(BLE)」を利用した新しい位置特定技術、またはその技術を利用したデバイスを指す。2013年、iOS 7に搭載された通信プロトコル「iBeacon」により、専用アプリがなくてもiPhoneやiPadでビーコンを利用できるようになり、注目を集めた。一方、Googleも2015年にビーコンプロトコル「Eddystone」を発表した。

ビーコンには、主に次のような特長がある。
(1)非接触型で検知距離が長いため、位置検知の範囲が数mから100mと広がる。
(2)数cmから数10cmという高い精度で位置を測定可能。
(3)スマートデバイスで受信できるため、専用リーダーが不要。
(4)最新のBluetooth技術で省エネ化されているため、電池容量と設定次第だが半年から数年間利用可能。
(5)屋内や地下でも利用可能。

人工衛星を発信源とした位置測位システムであるGPS(Global Positioning System)と混同されやすいが、GPSは地球規模の広い範囲で信号を利用できる反面、範囲が広すぎて位置測定の精度が5mから10mとあまり高くなく、衛星からの電波が届かない地下では利用できないというデメリットがある。

世界的にヒットしたスマートフォンアプリ「Pokémon GO」は、GPSおよびビーコンによって位置情報をキャッチして遊ぶゲームであり、ビーコンを利用したサービスも増えている。また、店舗にビーコン端末を設置し、来店客や店舗付近にいる人のスマートフォンの位置情報と連動させ、店舗情報やクーポン情報を発信して、集客や購買行動に結び付けるサービスも広がっている。