コーズ・リレーテッド・マーケティングとは
企業が商品やサービスの売上によって得た利益の一部をNGOや国連機関などの組織に寄付し、その社会奉仕活動と企業名を結びつけることによる訴求効果を狙うマーケティング・コミュニケーション手法。英語表記の「Cause related marketing」を略して「CRM」とも呼ばれる。
その歴史は古く、1976年にホテル大手のMarriott CorporationとMarch of Dimes(早産や乳児死亡などを減らし、母子の健康を改善することをミッションとする慈善団体)が協働して実施したキャンペーンが、最初に成功を収めた事例といわれている。最も有名なのは1983年のアメリカン・エキスプレス社が行った「自由の女神修復」キャンペーンである。カードの利用1回ごとにアメリカン・エキスプレスが寄付を行うというキャンペーンで、自由の女神の修復基金として170万ドルを寄付することに成功した。このキャンペーン期間中に新規会員数が45%増加し、カードの使用料は28%増えたといわれている。
国内においても王子製紙、キリンMCダノンウォーターズ、森永製菓、ソフトバンクなどがコーズ・リレーテッド・マーケティングを行って支持を集めた。しかし、その反面、「企業が売り上げや利益を増やすため社会貢献を利用している」といった声があるのも事実であり、コーズ・リレーテッド・マーケティングはマーケティング手法として決して万能とはいえない。