CEPとは
Complex Event Processingの略。刻々と発生する膨大なデータをリアルタイムで処理し、有用なデータのみを解析する技術の総称。「複合イベント処理」とも呼ばれる。データ活用におけるリアルタイム性を極限まで追求する技術であり、ビッグデータ活用の需要が高まっている昨今、注目されている。
従来のデータ処理方式では、発生したデータをデータベースに格納した後、集計・分析を一括して行うため、データの発生から集計・分析までにタイムラグが生じる。例えば、金融のアルゴリズム取引や、クレジットカードの不正利用の検知、ネットワークへのサイバーテロの検出など、即時対応が望まれるケースでは、タイムラグによる対応の遅れが致命的になりかねない。そのような時代背景から、CEPの技術が必要とされている。
CEPの仕組みは、データに対する処理条件や分析シナリオを、あらかじめCEPエンジンに設定しておき、データがその条件に合致すると、即座に決められたアクションを実行する。この技術を活用することで、1秒間に数万件から数百万件という膨大なデータが処理可能となる。2005年ごろから本格的に製品化され、現在は日本IBMや日本オラクル、日立製作所など、各社が製品を提供している。