Cookie制限
Cookie制限とは、Cookieの利用について、ある程度の制限を設けること。そもそもCookieは、スマートフォンやパソコンなどの端末でWebサイトを閲覧した際、Webサイトなどの情報を端末に一時的に保存する仕組みである。Cookieの設定を有効にすれば、ログイン情報の保存など、サイト閲覧の利便性が向上する。一方で、ユーザーID、パスワード、メールアドレス、訪問回数などの情報が保存されるため、第三者による不正利用、プライバシーの侵害や情報漏えいなどといったリスクが高まることが問題視されている。そのため、世界各国でCookie制限の動きが広まった。
EUでは2018年5月、「一般データ保護規制(General Data Protection Regulation:GDPR)」が施行。またアメリカでは2018年、「カリフォルニア州消費者プライバシー法(California Consumer Privacy Act:CCPA)」と呼ばれる州法が制定された。日本でも2022年4月、改正個人情報保護法が施行。この法改正において、Cookieは「個人関連情報(個人に関連する情報であって個人情報には該当しない)」と定義されたが、Cookieなどの個人関連情報を第三者に提供し、個人情報のひも付けを行う場合に本人の同意が必要になった。
こうした規制と並行で、Webブラウザーの仕様変更によるサードパーティCookieの利用制限も行われている。Appleは2017年から、同社のWebブラウザーであるSafariにITP(Intelligent Tracking Prevention)という規制を導入し、Cookieの利用に制限をかけた。Googleは2022年までに広告目的のサードパーティCookieのサポートを廃止することにしている。今後はCookieから情報を収集することが困難になり、Webサイトに一度訪問したユーザーを追跡して広告を配信する「リターゲティング広告」などの見直しから、多くの企業が広告戦略の転換を迫られている。