DPP(デジタル製品パスポート)
デジタル製品パスポート(DPP:Digital Product Passport)とは、製品の原材料、製造工程、環境負荷、リサイクルに関する情報などをデジタル上で一元管理・共有する仕組みである。EUにおいて2024年に施行された「持続可能な製品のためのエコデザイン規則(ESPR)」を法的枠組みとし、循環型経済(サーキュラーエコノミー)を推進するための重要な取り組みの一つに位置づけられている。
従来、製品の構成素材やリサイクルに関する情報はサプライチェーンの各段階に分散しており、製品が市場へ流通した後の追跡は困難であった。資源循環や環境負荷低減に対する要請が高まる中、製品のライフサイクル全体を通じて情報を追跡・活用する基盤として、DPPの導入が進められている。
適用対象はEV用バッテリーや一部の産業用バッテリーを皮切りに、繊維・アパレル、鉄鋼などへと段階的に拡大される見通しである。EU域内で対象製品を流通させる場合、EU域外の企業であっても対応が義務付けられる。そのため企業には、原材料の調達ルート、環境負荷データ、修理・分解方法に関する情報をサプライチェーン全体から収集し、デジタルデータとして提供できる体制の構築が求められる。
DPPは単なる規制対応の手段にとどまらず、製品のトレーサビリティや環境面における信頼性を高める基盤として、日本企業を含むグローバル企業にとって対応が不可欠なテーマとなっている。
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