エッジAI
エッジAIとは、現場に近い端末(エッジ)にAIを実装し、判断を行わせる技術のこと。従来のAI活用においては、膨大なデータの蓄積や処理、学習を行うため、クラウド上のサーバーを利用するクラウドAIが主流だった。ただし、クラウド上のサーバーとデータをやりとりする際にデータ量が膨大になり、タイムラグが生じるため、リアルタイム性が求められる分野では難点があった。例えば、自動運転や産業用ロボットなどの分野では瞬時の判断が求められ、クラウドAIの利用に課題があった。また、通信料の増大や機能の高度化などの面でもデメリットがあるとされている。
こうした課題を解消する技術として、注目されるようになったのがエッジAIである。エッジAIのメリットとしては、主に次のものが挙げられる。
(1)リアルタイム性:エッジ側で処理するため、リアルタイムに判断することが可能
(2)セキュリティの強化:エッジ側でデータを管理するため、不正アクセスを受けにくくなり、情報漏えいのリスクが低減
(3)コスト削減:エッジ側でデータを蓄積して処理するため、通信料がコストダウン
エッジAIが活用される市場としては、自動運転、ドローン、監視カメラなどが有望視されている。デロイト トーマツ ミック経済研究所の「エッジAIコンピューティング市場の実態と将来展望」によると、エッジAIソリューション市場は2020年度の43億円弱から、2025年度に413億円規模に拡大すると予想されている。