2022年 4月18日公開

IT用語辞典

エンゲージメント

制作協力:株式会社インプレス

読み方 : えんげーじめんと
英語正式表記 : engagement

エンゲージメント

「約束」「契約」「協約」「婚約」などの意味を持つ英語。ビジネスでは「個人と組織が一体となり、双方の成長に貢献し合う関係」、つまり従業員の企業に対する「愛着心」や「思い入れ」などを指す。「従業員と企業のつながりの強さ」などを表す言葉として使用される。

終身雇用制度の崩壊、少子化に伴う労働力不足、人材の流動化に加え、コロナ禍によるテレワークの普及などにより、働き方の多様化が進んでいる。在宅勤務などにより、社員同士が顔を合わせず一人で仕事をする機会が増え、企業への愛着心の希薄化が進んでいることが、エンゲージメントが注目される背景となっている。

エンゲージメント向上のメリットとして、離職率の低下、仕事の質の向上、業績や評価の向上、優秀な人材の確保などがある。一般的にエンゲージメントが高い組織は、営業利益率および労働生産性が高いといわれ、業績がよい企業ほどエンゲージメントを重要視する傾向が強いとされる。
エンゲージメントを高めるためには、企業理念やビジョンなどを明確にすることが第一歩だが、企業理念やビジョンは従業員が共感できるものであることが前提である。そのうえで、企業文化や労働環境の見直し、正当な評価制度の導入、従業員の成長支援施策の導入などを行うことで、エンゲージメントが高まる。

エンゲージメントと混同されやすい言葉に「従業員満足度(ES)」や「ロイヤルティ」がある。前者は企業への満足度を従業員側から測定したものであり、従業員と企業の相互の信頼度を表すエンゲージメントとは異なる。また後者は、従業員の企業に対する忠誠心を示す言葉であるが、エンゲージメントでは個人(従業員)と組織(企業)の立場はあくまでも同等で、主従関係と捉えない。