Federated Learning
Federated Learningとは、データを一カ所に集めず、スマートフォンやパソコンなど個人デバイスで分散してAIモデルを学習させる仕組み。Federatedには「連邦の」「連合の」という意味がある。いくつもの個別の要素が協力しながら、一定の独立性を保つ関係を表す。
Federated Learningのメリットはプライバシーが守られることである。ユーザーが入力したり検索したりしたデータがローカルに保存される。例えばFederated Learningの仕組みを利用すると、個人のデータをサーバーに送らずにスマートフォンの入力予測機能が改善される。プライバシーを守りながら、スマートフォンの操作性を向上させることができる。
ほかにも機密性の高い個人の健康情報を共有せず、複数の医療機関でデータが分散している状態でAIモデルの開発を進める、顧客のクレジットカード情報を金融機関で共有せずに個々に学習させて、不正行為を検知するモデルを開発するなどの事例がある。
Federated Learningには、データを共有しない代わりに、学習モデルの更新情報の質や量がバラバラで、モデル全体の学習精度が落ちるなどの懸念もある。これらの課題を克服するため、データ量に差があるデバイスの重みづけをするといった仕組みが導入されている。改良が進むことで、Federated Learningの利便性と安全性がより向上すると期待されている。