政府共通プラットフォームとは
クラウドコンピューティングをはじめとする最新の情報通信技術(ICT)を活用し、従来は各府省が個別に整備・運用していた政府情報システムを統合・集約するとともに、共通機能を一元的に提供する基盤システム。2013年3月18日から運用を開始した。
政府共通プラットフォームは、「世界最先端IT国家創造宣言」に基づき、2009年4月に政府が掲げた「霞が関クラウド(仮称)」を構想化したもの。政府情報システム全体の運用コストの削減や、セキュリティの強化などを図ることを狙いとして、各府省が別々に整備・運用している政府情報システムを順次統合・集約している。政府が2013年に公表した「政府情報システム改革ロードマップ」では、2021年度を目途に、原則すべての政府情報システムを政府共通プラットフォームに統合・集約し、クラウド化が見込めないシステムは統廃合や独自の刷新によって3割減を目指すこととした。当初は、2012年度に1500ほど存在していた政府情報システムを2018年度までに半数近くに減らし、そのうち約250システムを政府共通プラットフォームに移行すると見込んでいた。
しかし、2016年9月に会計検査院が行った調査によると、2013年度末時点の各省庁のシステム数は計1312。このうち廃止予定を除く828システムは、2021年度末までに政府共通プラットフォームに移行する予定だったが、「多くの個人情報が含まれている」「民間サービスを利用している」といった理由で、509システム(61%)に移行予定がないと分かり、政府情報システムの統合・集約化は限定されたものになると予想されている。