ICOとは
Initial Coin Offeringの略。「新規仮想通貨公開」の意味。企業が発行する「トークン」と呼ばれる仮想通貨を投資家が購入し、資金調達を図る経営手法。大きく分けて、プロジェクトの資金調達を目的とするICO、通貨として普及し価値を持つことを目的とするICO、高利回りの投資対象を作り、資金調達の枠組みを作ることを目的とするICOの3種類に分類される。
ICOは、従来の株式市場の上場と異なり、インターネット上で資金調達を公開できるため、資金調達コストの低減が図れる。自社の製品やサービスに将来性があれば、知名度に左右されず資金調達を達成することが可能だ。小額から投資に参加できるため、投資家の投資リスクも軽減される。また、仮想通貨を利用すれば、国家間取引の手数料が減少し、海外からの投資コストを削減できる。
一方、多種多様な形態があるICOは、リターンを受け取るまでの期間が長い、格付けなどが未整備なため信用性、信頼性、将来性が乏しい、詐欺や犯罪などの被害に遭う、出資は100%自己責任になるなどのリスクがある。さらに、上場準備や実装にかかわる業者に免許などが存在しないため、発行体の意図しないところで詐欺の片棒を担がされてしまうことも考えられる。
中央集権的でない仮想通貨技術によるメリットとデメリットがあるため、投資者は、企業が発表する「ホワイトペーパー」(プロジェクトの構想やコンセプトをまとめた企画書)をしっかり吟味しなければならない。