インフラシェアリング
「インフラストラクチャー(infrastructure)」と「シェアリング(sharing)」を組み合わせた造語。社会的基盤であるインフラをシェア(共有)すること。特に、移動通信事業における基地局などの通信ネットワークインフラを、複数の事業者間で共有することを指す。
これまで日本では、各通信事業者が自社で基地局を設置することが一般的だった。通信事業者によって携帯電話用に割り当てられた周波数が変わり、事業者ごとに最適なロケーションや基地局の間隔が異なるためである。しかし、第5世代移動通信システム(5G)の導入時、通信事業者の初期投資を抑え、通信エリアの早期拡大を目指す必要性が叫ばれ、総務省は2018年12月に「移動通信分野におけるインフラシェアリングに係る電気通信事業法及び電波法の適用関係に関するガイドライン(案)」を発表。インフラシェアリングの原則や関係法令の適用条件などを示し、鉄塔やアンテナ、基地局装置などの各領域でシェアを促したことも追い風になり、通信事業者間でのインフラシェアリングが進んでいる。
JTOWER(東京都港区)は2020年11月、東京都庁第一本庁舎内の一部エリアにおいて、5Gに対応したインフラシェアリング・ソリューションを移動通信事業者向けに提供開始。建物内でのインフラシェアリングを活用した国内初の事例として大きな話題となった。同社は2021年8月にも都営地下鉄大江戸線・都庁前駅構内で同様のインフラシェアリング整備を行う協定を東京都交通局と締結している。