ITガバナンスとは
企業が自社の情報システムへの投資・効果・リスクを永続的に最適化し、統合化する組織的・戦略的な仕組みのこと。IT戦略を一定のルールに従ってコントロールする統治能力ともいえる。
「コーポレート・ガバナンス(会社の不正行為を防止、あるいは適正な事業活動の維持・確保を実現すること)」を元に、2002年に起きた「みずほ銀行」のシステム統合における障害発生を契機に注目されてきた。ITガバナンスを実行すれば、企業はITを効率的かつ効果的に運用できるので、経営資源を最大限に活用することができる。
ITガバナンスは広義にとられることが多いが、具体的には、CIO(最高情報責任者)などのIT担当役員や責任部門(情報システム部門やシステム企画部門)を定め、経営層と一体となってIT戦略の立案や実行を推進することを指す。内容としては、経営環境の現状や将来の動向把握、自社の経営や事業におけるIT活用の位置付けから、最新のITに関する調査、自社IT要員の育成やユーザー教育、新規システムの企画と開発、システム開発の委託先の管理、システムの機能やデータの一貫性維持、IT予算の管理や執行まで多岐にわたる。