ITILとは
Information Technology Infrastructure Libraryの略。ITサービスマネジメントにおける成功事例をまとめた書籍群のこと。英国の政府機関が取りまとめたもので、システムの運用管理業務のクオリティ向上を目指す企業のバイブル的存在になっている。
ITILの対象は、サービスの企画・構築・運用というシステムライフサイクルに沿って、以下のような5つのカテゴリーに分類されている。
(1)サービス・ストラテジ:ITサービスの戦略立案について解説する
(2)サービス・デザイン:ITサービスの設計や変更について解説する
(3)サービス・トランジション:ITサービスの立上げや、現在運用中のサービスから新しいサービスへの移行について解説する
(4)サービス・オペレーション:ITサービスの運用について解説する
(5)継続的なサービス改善:ITサービスの継続的な改善について解説する
もともと1980年代の英国政府において、ガイドラインをもとにしたITサービスの利用と提供が求められるようになり、ITサービスの方法論を整理する活動が行われた。その結果、1986年に現在のITILの基礎となるガイドラインが完成した。オリジナルの英語版のほか、日本語版なども販売されている。またITILの普及促進を図るユーザー団体の「itSMF」が世界各国にあり、日本でも2003年にNPO法人として「itSMF Japan」が設立された。