Jアラートとは
「全国瞬時警報システム」の通称。日本国内に緊急事態が予測される場合、人工衛星と市町村の防災無線などを利用して緊急情報を瞬時に地域住民へ伝えるためのシステム。
伝達される緊急情報は、内閣官房が発表する「国民保護に関する情報」と、気象庁が発表する「自然災害に関する情報」に大別される。国民保護に関する情報は、国民保護法に基づき、内閣官房の発表する弾道ミサイル情報や航空攻撃情報、ゲリラ・特殊部隊攻撃情報などの武力攻撃に関する情報が対象となる。一方、自然災害に関する情報は、津波警報や緊急地震速報などの大規模な被害が想定される災害の情報が対象となる。Jアラートの特長は、瞬時に情報が届けられるよう通信衛星を利用していること、重要な情報は人手を介さずに情報が発信されるように自動起動機が準備されていること、さまざまな情報発信手段を持っていることなどである。
2004年度から総務省、消防庁が開発および整備を進め、実証実験を経て、2010年に全国都道府県の自治体に一斉整備された。しかし、2018年5月に実施した全国一斉訓練では、8都府県の9市町村で、防災行政無線などを通じた住民への情報伝達が一切できないなどの課題が浮き彫りになり、今後の改善が望まれている。