LiDAR
LiDARとは、「Light Detection And Ranging」または「Laser imaging Detection And Ranging」の頭文字を取った略語で、「ライダー」と読む。日本語では「光による検知と測距」と訳されることもある。LiDARは、レーザー光を照射し、物体に当たって跳ね返ってくるまでの時間を計測して、物体との距離や方向、性質などを測定する技術である。また、この技術を実現するためのセンサー装置を指す場合もある。
LiDARの技術自体は、1960年ごろから宇宙や気象などの測定に利用されていたものだが、その後、人工衛星や航空機などを活用した測量や侵入者検知システム、混雑状況のモニタリングなどでも利用されるようになった。また近年では、自動車の高度自動運転システムの実現に不可欠の技術として注目されている。自動車の自動運転では、車間距離の計算や障害物(モノや歩行者)の測定を迅速かつ正確に判別するセンサーが必要とされるためである。
しかし、LiDARは光を用いるため、悪天候時に検知力が低下することやシステム自体が高額といった難点もある。そのため、自動運転の実現では、従来のミリ波レーダーとカメラなどと組み合わせることを前提として開発が進められている。