LPWA
「Low Power Wide Area」の頭文字を取った略語で、省電力で遠距離通信ができる無線通信技術の総称。無線通信規格には、Wi-Fi、Bluetooth、IrDA、RFIDなど数多くの規格があるが、LPWAはそれらよりも圧倒的に広い範囲をカバーする。一般的な電池で、数kmから数十km、数年から数十年の運用が可能である。ただし、通信速度は遅く、数kbpsから数百kbpsにとどまる。LPWAに注目が集まっている背景には、IoTやM2Mなどの進展が挙げられる。
LPWAは、無線局免許不要のアンライセンス系と無線局免許が必要なライセンス系に大別される。前者は「特定小電力無線」とも呼ばれ、運用コストはライセンス系より抑えられるが、利用可能なエリアは限定され、品質も各規格を提供するサービス事業者に左右される。後者は通信事業者が提供する認可周波数帯を利用しているので通信エリアが広く、高品質・高機能のサービスを受けられるが、運用コストが高くなる。
フランスなどではSigfox社により全土にLPWAのネットワークが構築され、アメリカなどでもLoRa規格によるLPWAの導入が始まっていると、総務省の平成29年版「情報通信白書」で報告されている(ともにアンライセンス系)。