メタバース法
メタバース法は、仮想空間(メタバース)における活動や取引に関連する法的ルールや規制を指す。具体的には仮想空間での知的財産権、プライバシー保護、デジタル資産の所有権、税務処理などに関連する法律を指す。
メタバースの中で作成されたキャラクター、音楽、建物などのデジタルコンテンツの所有権は曖昧なケースが多い。ユーザーが作った作品の著作権が誰に帰属するのか、プラットフォームを運営する会社がどこまで利用できるのかなどの問題が生じる。他人の作品を無断コピーして販売する行為を取り締まる仕組みも十分ではない。クリエイターの権利の保護と自由な創作活動のバランスを取るルール作りが求められている。
また、メタバースではユーザーの行動や会話、趣味嗜好などの膨大なデータが収集されるので、個人情報の悪用やデータ流出のリスクもある。収集されたデータの透明性や利用目的の明確化の対策が必要になる。
さらに、メタバース内で取引されるアイテムや不動産などデジタル資産の所有権、課税の基準も明確になっていない場合がある。所有権を証明するためのNFT(非代替性トークン)があるが、NFTが国際的に取引される場合、どの国の法が適用されるか、税務ルールがどうなるかといった課題がある。法の整備に国際的な連携も必要になる。
急速に進化するデジタル社会に対応するため、メタバースの法的な枠組みの整備が求められている。