マルチコアファイバーとは
光の通り道であるコアが、1本のファイバー内に複数本ある光ファイバーのこと。コアごとに別々の情報を送信できるので、1本のファイバーで送信できる情報量(伝送容量)を増やせるのが特長である。ちなみに、コアが1本のファイバー内に1本だけある従来のファイバーは「シングルコアファイバー」と呼ばれる。
スマートフォンの利用などで通信量は増加し続けており、中継局での装置数や消費電力量の増大が懸念されている。シングルコアファイバー1本の伝送容量は、時分割多重(TDM)や波長分割多重(WDM)などの大容量化技術を用いても、入射光強度(1.5ワット程度)や非線形現象により制限され、100Tbit/s程度で頭打ちになるといわれている。マルチコアファイバーは、こうした課題を克服するものとして期待されている。
NTTとKDDI総合研究所、住友電気工業、フジクラ、古河電気工業、NECおよび千葉工業大学は2017年8月、四つのコアを持つマルチコアファイバーを利用して、世界最大となる118.5Tbit/sの伝送を実現。2020年前半にも実用化していく方針であることを発表し、大きな話題を呼んだ。