ニューラルネットワーク
人間の思考をつかさどるといわれる、脳の神経細胞を意味する「ニューロン」が語源。人間の脳内には100億個以上のニューロンが存在し、ニューロン間を電気信号が駆け巡ることで、情報処理などが可能になるといわれている。ニューラルネットワークとは、ニューロンが行うような人間の情報処理などの機能を、コンピューターの計算により再現するための仕組みのことである。
ニューラルネットワークは、主にAI(人工知能)を支える機械学習の技術の一つとして注目されている。人間の脳が学習や経験によって成長していくように、ニューラルネットワークも学習を行うことで高度な処理や判断などができるようになる。その学習は、コンピューターへ判断材料となる情報が入力され(入力層)、入力された情報を基にネットワークを介して複雑な計算が行われ(中間層)、判断結果となる正解が出力される(出力層)という過程で行われる。そのため、入力と出力の間にある複雑な計算を行う中間層がニューラルネットワークにおいて重要とされている。入出力が行われる対象としては、モノの認識、分析・予測、音声会話など多岐にわたる。学習精度が向上することで、これまでコンピューターでの判断が難しかった「答えのない問題」にも対応できるようになると期待されている。